特許行政年次報告書 2019年版
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特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版99第2章審査官の増員が必要不可欠である。そのため、任期付審査官を採用するなど、審査官の増員の実現と、処理能力の維持に努めてきた。2019年度は、12名の審査官を確保した。 今後も、ユーザーニーズである「安定した権利の迅速な付与」のために必要な審査官の確保に努め、審査処理能力の維持・向上を図っていく必要がある。(2)早期審査制度・スーパー早期審査制度①早期審査制度 特許庁では、一定の要件の下で、出願人からの申請を受けて審査を通常に比べて早く行う早期審査制度を実施している1。 早期審査制度の対象となる出願は、(ⅰ)個人、中小・ベンチャー企業や大学・TLO・公的研究機関からの出願、(ⅱ)既に実施しているか2年以内に実施予定の発明に係る出願(実施関連出願)、(ⅲ)外国にも出願している出願(外国関連出願)、(ⅳ)環境関連技術に関する出願(グリーン関連出願)、(ⅴ)「特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法(アジア拠点化推進法)」に基づく認定を受けた研究開発事業の成果に係る発明の出願である。2011年8月からは、震災により被災した企業・個人等からの出願(震災復興支援関連出願)も、早期審査の対象になっている。 2018年の早期審査の申請件数は21,137件であり、年々増加傾向にある[2-2-2図]。早期審査制度を利用した出願の2018年の一次審査通知までの期間は、早期審査の申請から平均2.3か月となっており、同制度を利用しない出願と比べ大幅に短縮されている。②スーパー早期審査制度 特許庁は、「実施関連出願」かつ「外国関連出願」に該当する、より重要性の高い出願を対象として、通常の早期審査よりも更に早期に審査を行うスーパー早期審査制度2を試行している。 スーパー早期審査制度は、申請から一次審査までを1か月以内(DO出願3については、原則2か月以内)で行い、再着審査についても、意見書・補正書の提出から1か月以内に行うことで、通常の早期審査制度に比べて申請から権利化までの期間を短縮するものである。 2018年のスーパー早期審査の申請は685件で1 申請手続等その他詳細については、以下ウェブサイト参照 https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/v3souki.html2 申請手続等その他詳細については、以下ウェブサイト参照 https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/document/v3souki/supersoukisinsa.pdf3 PCT国際出願後、国内に移行した出願。122-2-1図 登録調査機関一覧(2019年4月1日)登録調査機関名(一財)工業所有権協力センターテクノサーチ(株)(一社)化学情報協会(株)技術トランスファーサービス(株)AIRI(株)パソナグループ(株)古賀総研(株)みらい知的財産技術研究所ジェト特許調査(株)(資料)特許庁作成2-2-2図 早期審査の申請件数の推移(資料)統計・資料編第2章18.(1)(件)(年)05,00010,00015,00020,00025,00020182017201620152014201315,18715,18717,08617,08617,51117,51119,49219,49220,52920,52921,13721,1372-2-3図 スーパー早期審査の申請件数の推移(資料)特許庁作成(件)(年)4854856426425545544504505805806856850100200300400500600700800201820172016201520142013

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