特許行政年次報告書 2019年版
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特許行政年次報告書2019年版108第2章特許における取組b. PPHの利便性向上に向けた取組 PPHは従来、二庁間の取組であったため、例えば、日本国特許庁の審査結果に基づくPPHであっても、第二庁ごとにPPHの要件が異なる等の問題があり、各PPHの要件の共通化を求めるユーザーニーズも大きかった。 そこで、PPHの利便性向上に向けて、2009年2月の第1回多国間特許審査ハイウェイ長官会合及び実務者会合以来、両会合が継続して開催され、2014年1月、それらの議論を踏まえて日本国特許庁を含めた17の庁間でグローバル特許審査ハイウェイ(GPPH)が開始された。この枠組みに参加した庁の間では、利用できるPPHの種類が共通化され、通常型PPH、PPH MOTTAINAI及びPCT-PPHの全てが利用可能となる。その後、2018年1月にはヴィシェグラード特許機構が、2019年1月にはペルーが参加し、2019年4月1日時点で26の庁に拡大した。なお、2016年1月から日本国特許庁がGPPHの事務局を務めている。 また、2013年9月、スイス・ジュネーブにおける五庁長官の合意に基づき、日米欧中韓の五庁相互間でのPPH(IP5 PPH)が2014年1月から開始された。これにより、五庁間で通常型PPH、PPH開始時期利用可能なPPHの種類通常型PPHPPH MOTTAINAIPCT-PPHロシア2009年5月○○○シンガポール2009年7月○○○オーストリア2009年7月○○○ハンガリー2009年8月○○△カナダ2009年10月○○○欧州特許庁2010年1月○○○スペイン2010年10月○○○スウェーデン2011年6月○○○メキシコ2011年7月○○△北欧特許庁2011年10月--○中国2011年11月○○○ノルウェー2011年12月○○△アイスランド2011年12月○○△イスラエル2012年3月○○○フィリピン2012年3月○○△ポルトガル2012年4月○○△台湾2012年5月○○-ポーランド2013年1月○○△ユーラシア特許庁2013年2月○○△インドネシア2013年6月○-△オーストラリア2014年1月○○○タイ2014年1月○--コロンビア2014年9月○○△マレーシア2014年10月○○△チェコ2015年4月○○△エジプト2015年6月○--ルーマニア2015年7月○○△エストニア2015年7月○○△ベトナム2016年4月○*1--ブラジル2017年4月○*2○*2-アルゼンチン2017年4月○○-ニュージーランド2017年7月○○△チリ2017年8月○○○ペルー2017年11月○○△ヴィシェグラード特許機構2018年1月--○トルコ2018年4月○○○日本---○太字:IP5 PPH参加庁色付き:GPPH参加庁△:国際調査機関又は国際予備審査機関として活動していないため、日本国特許庁を先行庁とする場合のみ利用可能*1:ベトナムが受け付けるPPH申請は、年間200件までの制限あり。*2:ブラジルとのPPHについては、いずれも最先の特許出願又はPCT出願が日本特許庁かブラジル産業財産庁に対して行われている案件が対象であり、2年間で両庁が200件まで受け付ける。また、ブラジルが受け付けるPPH申請には、「対象となる技術分野」及び「一出願人あたりの申請可能件数」に制限あり。

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