特許行政年次報告書2019年版118第3章意匠における取組(1)意匠審査基準の改訂 意匠審査基準ワーキンググループ1において、意匠権の明確性を確保しつつ簡便で使いやすい意匠制度とするために、意匠法改正を要せず喫緊に対応可能な以下の項目に関して検討し、意匠審査基準の改訂2を行った。①一物品・一意匠の考え方等の明確化、運用の見直しa.「意匠に係る物品の区分」に係る運用の見直しb.一意匠の考え方の明確化c.組物の意匠制度の運用の見直し②願書及び図面等の記載要件の簡素化a.「一組の図面」の要件廃止b.意匠登録を受けようとする物品以外のものの記(1)品質管理に関する取組 意匠課及び意匠審査部門では、意匠審査の質の維持・向上を図るため、庁内に意匠審査品質管理委員会を設け、品質管理に関する各種施策の実施及び改善に取り組んでいる。①品質保証 案件の処理方針等の判断を均一にし、意匠審査の質の保証を図るため、審査官と決裁者間の協議を実施し、必要に応じて他の審査官へ協議内容を情報共有している。 また、審査官が行った審査の内容(審査の判断や通知文書の記載等)について、意匠審査部門の管理職が全件のチェック(決裁)を行っている。載の容認c.中間省略の記載方法の緩和d.願書の【部分意匠】欄の廃止/全体意匠と部分意匠の関係の運用変更 上記①については、2019年1月10日以降に審査されるものに適用しており、上記②については、2019年5月1日以降に出願されるものに適用している。(2)意匠制度・意匠審査基準に関する説明会の開催 上記(1)に関する審査の運用変更に加え、「不正競争防止法等の一部を改正する法律3」における意匠に関する内容について、全国8か所で説明会を開催し、ユーザーへ周知した。②品質検証a. 品質監査 品質監査は、決裁後の案件からサンプルを抽出し、法令、審査基準等の指針に則った統一のとれた審査が行われているか、出願人・代理人との意思疎通の確保に留意した効率的な審査が行われているかとの観点で行っている。また、品質監査結果の分析及び評価により、意匠審査の質の現状把握と課題抽出を行い、関係部署と連携して課題解決を図っている。b. 意匠審査の質に関するユーザー評価調査の実施 意匠審査の質全般及び特定の出願における審査の質について改善すべき点を明らかにし、審査の質の維持・向上のための施策に反映するべく、2.使いやすい意匠制度の実現に向けた取組3.意匠審査の品質向上に向けた取組1 「産業構造審議会 知的財産分科会 意匠制度小委員会 意匠審査基準ワーキンググループ」 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/isho_wg/index.html2 「意匠審査基準」 https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/shinsa_kijun/index.html3 「不正競争防止法等の一部を改正する法律」平成30年5月30日 法律第33号12
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