特許行政年次報告書 2019年版
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特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版121第3章(1)意匠関連情報の整備①「意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き」 意匠登録出願時の願書及び図面の記載方法について解説した手引きを特許庁ウェブサイトで公表しており1、意匠審査基準の改訂に合わせ内容を更新した。②「意匠の新規性喪失の例外規定についてのQ&A集」 意匠の新規性喪失の例外規定の適用に係る運用に関して、適用を受ける際の手続き全般にわたってよく寄せられる質問とその回答をとりまとめ、特許庁ウェブサイトで公表している2。「不正競争防止法等の一部を改正する法律3」の施行により、意匠の新規性喪失の例外期間が6か月から1年に延長されたことを受け、記載内容を更新した。③「意匠審査便覧」 審査実務における手続的事項をまとめ、特許庁ウェブサイトで公開している4。上記の「不正競争防止法等の一部を改正する法律」の施行等に則し、記載内容を更新した。④「部分意匠の関連意匠登録事例集」 部分意匠の出願のうち、本意匠と関連意匠として登録されたものの中から、意匠の類否判断の参考となる事例集を作成し、特許庁ウェブサイトで公表している5。(2)意匠審査における判断内容の明確化 特許庁は、意匠制度ユーザーからの審査判断内容の明確化の要望に応えるべく、2004年10月から、一部の拒絶理由通知書(意匠法第9条第1項(先願)に該当する場合)については、出願意匠と引用意匠との類否判断の理由を簡潔に記載する運用をとっている。また、意匠法第3条第1項第3号(新規性)に該当する場合についても、拒絶理由通知書への判断理由の付記を行っている。また、加えて、他の出願意匠との対比判断を伴う拒絶理由通知(意匠法第9条第2項、第10条第1項)についても、出願意匠の特徴点と引用意匠又は他の出願意匠との共通点及び差異点並びに判断理由を分かりやすく記載するよう運用の対象を拡大し、審査判断の明確化に努めている。 他方、登録された意匠については、審査判断や意匠権の効力範囲の明確化に資するべく、審査官が新規性や創作非容易性等を判断する上で参考とした資料を「参考文献」として従来から意匠公報へ掲載している。この参考文献情報を意匠公報の発行前に出願人へ伝えることが、戦略的な意匠権活用を検討する上での一助となり得ることから、登録査定に参考文献情報を記載した通知書を添付することで、意匠公報に掲載する参考文献情報を事前に通知する運用を行っている。さらに、2016年4月11日から、審査において先行意匠調査(サーチ)を行った日本意匠分類の情報を記載した通知書を、登録査定に添付する運用を開始している。5.意匠関連情報の整備・提供 特許庁は、意匠制度ユーザーの利便性向上のため、意匠審査基準等の整備、意匠審査における判断内容の明確化、意匠審査スケジュールの公表、意匠公知資料の公開といった、意匠審査に関連する情報提供の拡充に努めている。1 https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/h23_zumen_guideline.html2 https://www.jpo.go.jp/system/design/shutugan/tetuzuki/ishou-reigai-tetsuduki/document/index/ishou-reigai-qa.pdf 3 「不正競争防止法等の一部を改正する法律」平成30年5月30日 法律第33号4 https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/isyou_binran/index.html5 https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/bubun_isyou.html1245

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