特許行政年次報告書 2019年版
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特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版131第4章● いなり寿司のブランド化を核とした取り組みをより盛り上げるために地域団体商標を出願 豊川稲荷の門前町として栄えてきた豊川市では、古くからたくさんの店がそれぞれの工夫を凝らした創作いなり寿司を提供し、参拝客をもてなしてきた。ところが近年は来訪者が減少。そこで、市民が一丸となり「豊川いなり寿司」のブランド化でまちおこしを推進。B-1グランプリなど様々なイベントへの参加やメディアでのPRで着実に知名度をアップ。一方、2013年には「豊川いなり寿司」のロゴマークを通常商標登録し、商標権のロイヤリティ(使用料)を得る収益事業もスタート。そして、活動の求心力をさらに高めるべく地域団体商標を出願。● ロイヤリティビジネスを加速していく上でも活かせる地域団体商標のアピール力 ロイヤリティ契約が飽和状態となっていたところ、地域団体商標の出願を機に数件の問い合わせが寄せられ新規契約も獲得。そうした効果もあり、登録後はイベントポスターなどに地域団体商標制度のロゴを積極的に掲載してアピール。同市の観光協会では、鮎やバラ、バウムクーヘンなど、いなり寿司以外の地域資源にも「とよかわブランド」としてスポットを当てる方針を決定。地域団体商標が引き金となり、幅広いアングルから「地域ブランドの確立」による地域活性化を促す機運が高まっている。地域団体商標活用事例~市民一丸で盛り上げてきたブランドの商標権を取得し、まちおこしの求心力を向上~■商 標: 豊川いなり寿司(登録番号:第6013646号)■権利者:特定非営利活動法人みんなで豊川市をもりあげ隊■指定商品又は役務:愛知県豊川市産のいなり寿司、愛知県豊川市産のいなり寿司を主とする飲食物の提供Column 4

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