特許行政年次報告書 2019年版
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特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版133第4章(2)審査品質管理小委員会 特許庁における品質管理の実施体制・実施状況等について産業構造審議会知的財産分科会の下に設置した外部委員で構成される審査品質管理小委員会から客観的な評価を受け、それを審査の品質改善に反映している。2018年度は、当該年度に特許庁が実施している品質管理の実施体制・実施状況について、本委員会において作成された評価項目及び評価基準に基づき評価を受け、品質管理の実施体制・実施状況に関する改善点の提言を受けた1。6.商標の早期権利化ニーズに応えるための制度 近年の商標登録出願の急増に伴い、審査期間が長期化している(第1部第1章4.(1)参照)。審査期間の長期化は商標権取得の遅れにつながり、円滑な事業活動に支障をきたすおそれや、模倣品対策に遅れを生じさせるおそれがある。 特許庁では、商標の早期権利化ニーズに応えるため、一定の要件を満たす出願について通常よりも早期に審査を実施する制度として、従前から商標早期審査を設けているが、2018年10月から新たに、ファストトラック審査の試行も開始した。(1)商標早期審査2の対象 「出願商標を既に使用していること」3を共通の条件とする3つの要件[2-4-5図]のいずれかに該当する出願が早期審査の対象となり、早期審査の申請から平均2か月ほどで最初の審査結果が通知される。1 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/hinshitu_shoi/index.html2 商標早期審査の制度や手続の詳細については以下ウェブサイトを参照されたい。 商標早期審査・早期審理の概要 https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/soki/shkouhou.html3 使用の準備を相当程度進めている場合も含まれる。212-4-5図 早期審査の対象となる出願使用いずれかの商品に関して、権利化について緊急性を要する事情あり不使用不使用対象1対象2対象3指定商品被服使用被服使用財布使用時計財布時計使用不使用不使用被服財布時計一部の指定商品・指定役務について、出願商標を既に使用している一部の指定商品・指定役務について、出願商標を既に使用している全ての指定商品・指定役務について、出願商標を既に使用している「類似商品・役務審査基準」等に掲載の商品・役務のみを指定権利化についての緊急性 ・第3者が使用 ・第3者から警告 ・第3者からライセンス請求 ・外国に出願済 ・マドプロ出願の基礎出願例指定商品例指定商品例掲載あり掲載あり掲載あり

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