特許行政年次報告書 2019年版
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特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版167第8章(2)本業支援への活用 ・知財に関する課題に対し、公的機関や専門家を紹介してこれに対応した。 ・企業の強みを把握し、商談会出展の勧奨を行った。②中小企業における知財金融 一方で、評価の対象となった中小企業からみた知財金融はどうなのか。2018年度事業では、直接又は金融機関を通して間接的に、中小企業の方々にとってどのような効果・影響があったのかを確認した。自社の強み・こだわりの再認識から、企業内においては社員の意識改革に、企業外においては営業活動の改善につながる効果があったことがうかがえる。(1)企業内への効果・影響 ・自社の価値が客観的に評価されることにより、社員の自信につながった。 ・経営改善意識の醸成につながり、黒字転換となった。(2)企業外への効果・影響 ・技術売り込みの強化につながり、メディアにも取り上げられた。 ・自社の「強み」から、産学官連携で新商品の開発検討につながった。● 知財金融フォーラムの開催~地域金融機関全体への広がり~ 知財金融フォーラムは、その年度の成果報告会として、年度末に開催している。2019年3月4日に開催した知財金融フォーラム1では、4年目となる本フォーラムにおいて初めて、信用組合から事例発表が行われた。 また、18金融機関からの取組成果をポスター展示として公表し、参加者からの投票形式で、示唆に富んでいるとの評価を多く受けた取組を5つ発表した。地域の支援機関との連携を深めて、技術からブランドまで網羅的な事業性評価を進めている地域銀行をはじめとして、売上げ向上に結びつけた信用金庫、さらに信用組合の取組も選ばれ、地域金融機関の全ての業態に知財金融が広がり、根付き始めていること、また、そのような状況が全国の金融機関から注目されていることを感じ取ることができた。1 ザ・グランドホール(東京品川)にて開催。参加者数:209名、うち金融機関関係者96名。 知財金融ポータルサイトでも紹介している。図 注目が集まった5つの金融機関・パネル展示・フォーラム会場

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