特許行政年次報告書 2019年版
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特許行政年次報告書2019年版170第8章多様なユーザーへの支援・施策(5) 特許情報の有効活用のための支援1 特許情報とは特許の出願や権利化によって生み出される公開情報であり、これを調査・分析することによって、競合他社の動向や技術開発のトレンド等を知ることが可能となる有益なデータとなる。したがって、これを積極的に事業戦略に活用することが企業の発展のために重要である。 しかし、特許情報の調査・分析を適切に行い事業戦略に活かすためには専門的知識が必要であり、また、調査内容によっては少なくない費用がかかることから、先行技術調査等の特許情報分析にかかる公的支援へのニーズは21.9%2と高い。 そこで、中小企業等の事業活動における事業構想、研究開発、出願及び審査請求の各段階のニーズに応じた包括的な特許情報分析を支援し、中小企業等における特許情報の活用を推進するための取組を2015年度から実施している。〔事業内容〕①特許情報の調査・分析に関する支援a. 事業構想、研究開発、出願の各段階にある中小企業等に対し、以下に掲げる支援を目的とした、専門家によるヒアリング結果を踏まえた効果的な特許情報調査を実施。(2018年度実績:92件)※利用無料 ・新分野への進出、新製品の開発を目指す中小企業等の研究開発戦略の策定支援。 ・強い権利の取得や権利化可能性の向上を図ることを目的とした、中小企業等におけるオープン・クローズ戦略等の策定支援。b. 審査請求を行う前の特許出願を有する中小企業等に対し、無駄な審査請求の回避による知財活動費用の削減等を目的とした権利取得判断を支援するため、先行文献の調査を実施。(2018年度実績:80件)※利用料の一部負担あり②特許情報を利用した事業活動の普及・啓発 これまでの支援によって生まれた、特許情報を事業活動へ利用する中小企業等の事例をもとに、特許情報を調査・分析することのメリットを普及・啓発するための周知活動を実施する。1 お問い合わせ先等その他詳細については下記ウェブサイト参照 https://www.jpo.go.jp/sesaku/chusho/bunseki.htm2 平成25年度中小企業等知財支援施策検討分析事業「中小企業の知的財産活動に関する基本調査報告書」1

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