特許行政年次報告書 2019年版
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特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版171第8章(1) 知財戦略デザイナー 大学の優れた「知」である研究成果を、広く社会へと還元して、更なる研究の発展や社会実装へとつなげていくために、知的財産が重要な役割を担う。 そこで、特許庁では2019年度から大学の「知」の取り扱いに精通した知財戦略デザイナーを大学等に派遣する事業を開始する。知財戦略デザイナーは大学のURA(リサーチ・アドミニストレーター)をはじめとする研究支援担当者とチームを組み、知的財産権の保護が図られていない、優れた「知」3.大学への支援である研究成果の発掘を行う。知財戦略デザイナーは、その研究成果が国プロ等の大型共同研究への発展や事業化などを通して社会で大きく花開く将来設計図を研究者に提案する。そして、研究者が目指す将来設計図につなげるため、研究成果を公表するタイミングなどと絡めて、保護すべき研究成果や知財取得のタイミングなどを明確にした知的財産戦略を研究者目線でデザインして、知的財産権の活用を通じた社会的価値・経済的価値の創出を支援する[2-8-6図]。 我が国産業の国際的な競争力を確保しつつ持続的な発展を実現していく上で、イノベーションの促進を効率的に進める必要がある。特許庁・INPITでは、イノベーションの源泉である大学の研究を社会に橋渡しするため、知財戦略の策定などの知財マネジメントの支援や事業化を見据えた知的財産の権利化等に関する支援を行ってきた。2019年度から、これらの支援に加え、専門家が大学研究者を個別訪問し、大学の研究成果の社会への橋渡しを強化する事業を開始する。2-8-6図 知財戦略デザイナー派遣事業の概要

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