特許行政年次報告書 2019年版
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特許行政年次報告書2019年版184● 事例2:神楽フィースト株式会社 (福岡県北九州市)〇概要 神楽フィースト株式会社1は、10日間もの間ワイン酸化を抑制する「神楽ディスペンサー」を開発した会社である。構造の改良、製造委託先の確保等に課題を抱えていたところ、事業プロデューサーは、構造上の課題を洗い出し、改良・開発案を提案し製品化を実現、製造委託先として適した樹脂加工メーカーを選定し、大手百貨店での販売開始につなげた。〇詳細 神楽フィーストは、酸化抑止効果、ランニングコスト、及びデザイン性が優れた神楽ディスペンサーを開発し、国内外8か所で特許を取得していた 。 しかしながら、神楽ディスペンサーの厚肉一体構造ボディの製造委託先が見つからない、コックの角度が邪魔になり家庭用冷蔵庫に収納できない、販売ルートが分からないといった課題を抱えていた2。 それに対し事業プロデューサーは、北九州産業学術推進機構3中小企業支援センターと相談し、製造委託先として適した樹脂加工メーカーを選定することにより、量産体制を整備し、また、神楽ディスペンサーの構造の改良・開発案を提案し、製品化を実現した。さらに、大手百貨店が神楽ディスペンサーの販売ルートとして適切であると考え、首都圏大規模展示会に出展することを提案・実行し、大手百貨店仕入れ担当者にアプローチ等することにより、神楽ディスペンサーの大手百貨店での販売の開始につなげた。〈支援先企業のコメント〉 近藤プロデューサーには、昔からの夢だった大手百貨店での販売ができたことに大変感謝しています。またメディアの取材もあり、販売が加速する手ごたえを感じています。今後ともご支援をよろしくお願いいたします。1 2007年に設立、神楽ディスペンサーの製造販売2 「ワインディスペンサ」特許第5043231号、その他米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、韓国3 https://www.ksrp.or.jp/fais/3

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