特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版185第8章(4)福島県における知財活用を応援します!~福島知財活用プロジェクト~ 福島県では、震災から8年が経過し、企業立地や産業創出が進むなど、知財活用の重要性が高まっている。また、福島国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想への取組、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所の開所から5年など、知財が生まれる環境整備が進んでいる。 しかし、県内の中小・ベンチャー企業における知財活用は一部にとどまっていることから、県の復興・持続的な地域活性化を後押しするため、2018年度より、知財活用の重点支援(福島知財活用プロジェクト)を実施している。 2018年度は、県内の中小・ベンチャー企業が自社の強み・魅力となる技術・アイディア・ブランド力などを経営に活かしていただきたい、そのような願いを持って、自治体及び教育機関との共催で「知って得する活かせる知財」と題した知財活用セミナーを県内三か所で開催した。セミナーでは、企業・教育機関・金融機関・知財専門家(弁理士)による知財活用のメリットやリスクの解説や、自治体・支援機関による地域の取組紹介などを取り上げ、後日、地方紙を通じて、県内全域に対して開催概要を発信した。 2019年度は、セミナー開催でつながった地域ネットワークを基に、企業経営者・学生等に対する知財人材育成や、知財を活用した事業化ノウハウの蓄積を目的とした取組を実施する予定である。①会津地方「Aizu×IT×STARTUP」 共催:会津若松市、会津大学 日時:2019年1月22日(火) 会場:会津大学講堂(会津若松市) 来場者:学生、企業経営者など約100名 ITとSTARTUP(ベンチャー)をテーマに、トークセッションとパネルディスカッションを実施。知財を戦略的に活用したITビジネスによる会津地方の活性化などについて議論、意見交換した。②浜通り「イノベーション・コースト構想を未来へつなぐ人・ビジネス」 共催:いわき市 日時:2019年1月31日(木) 会場:いわき産業創造館(いわき市) 来場者:企業経営者、金融機関など約110名 知財教育とイノベーション・コースト構想をテーマに、2本のパネルディスカッションを実施。地域で進める知財人材育成や、自治体や金融機関による企業支援等について議論、意見交換した。③中通り「福島における知財活用の進展(医療、そして)」 共催:郡山市 日時:2019年3月6日(水) 会場:郡山商工会議所ホール(郡山市) 来場者:企業経営者、支援機関など約120名 医療とこれまでの総括をテーマに、2本のパネルディスカッションを実施。会社の発展につなげる知財活用手法や産学連携などの地域ネットワークの活用について議論、意見交換した。会津地方浜通り中通り
元のページ ../index.html#215