特許行政年次報告書2019年版204第8章多様なユーザーへの支援・施策(5)専門人材による支援 我が国産業の国際的な競争力を保持しつつ持続的な発展を実現していく上で、イノベーションの促進を効率的に進める必要があり、創出される知的財産を戦略的に保護・活用する知的財産戦略が極めて重要である。このため、特許庁・INPIT では、専門人材を適所に配置し、企業や大学等の知的財産マネジメントを支援している。①知的財産戦略アドバイザー 「営業秘密・知財戦略相談窓口~営業秘密110番~」1に所属する知的財産戦略アドバイザーは、同窓口での相談受付に加えて、中小企業等を訪問し、経営幹部を含めた複数の社員に対して小規模なセミナーを実施したり、現場を視察したうえで具体的なアドバイスをしたりできるように、出張による個別企業支援を積極的に実施している[2-8-22図]。 出張支援では、現場視察をすることで訪問した企業に特有の課題を発見し、より実践的なアドバイスを行うことが可能になっている。秘密管理のための社内体制の構築を目指す企業に対しては、訪問が複数回に及ぶこともある。単なる質問と回答というやりとりにとどまらず、知的財産戦略アドバイザー及び知財総合支援窓口の担当者等による営業秘密管理の規程整備に向けての支援によって、企業等において実際に秘密管理体制を運用できるレベルまで導くことを目標として活動している。 ◆2018年度実績 出張支援 340回1 営業秘密・知財戦略相談窓口 https://faq.inpit.go.jp/tradesecret/service/12-8-22図 知的財産戦略アドバイザー派遣事業の概要
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