特許行政年次報告書 2019年版
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特許行政年次報告書2019年版206● 株式会社エイビス(大分県大分市)「考え方がガラリと180度変わりました」 他機関の支援を受けていた当社「みまもりシステム」に関し、事前に模倣品対策や知的財産の視点を入れた契約の検討が必要と助言されていた。そんな折、INPIT海外知的財産プロデューサーへの相談を薦められたのがきっかけで支援が始まった。 支援は知的財産・契約の課題整理からスタート。経営課題に比べて、知的財産と契約の課題をあまり重視していなかったため、相談当初は担当者もおらず、こんなに多くの課題があるのかと感じたのを覚えている。支援は、当社が現実的に対応できる範囲を踏まえた上で、事業で押さえるべき点は何か、そのために必要な対策は何かを、企業の目線で助言してもらえたため、知的財産と契約の重要性を改めて認識し、これらの検討が大いに進んだ。「“みまもりシステム”のスムーズな海外展開に向けて」 タイを含めた海外への特許・商標出願の留意点、秘密情報管理、関連契約の必要性やポイント等に関し、アドバイスを受け、タイへの事業展開は順調に進行中である。支援の中で、知財担当の設置等のアドバイスを受け、知財体制の整備を並行して進めた。また、地元企業との合弁でタイの現地法人を設立し、さらには、タイにおけるニーズ探索のため、地元大学と共同研究に着手した。当初は敷居が高いと思っていた海外知的財産プロデューサーへの相談であったが、事業面での課題を含めて気軽に相談できる上に、何度でも訪問支援してもらえる点で大変有用であった。〈海外知的財産プロデューサーのコメント〉 本件はタイでの事業展開に向けて、知財・契約関連等の直面する課題解決を支援した事例です。今後は知財体制の強化といった中長期的な課題を含めて、支援を継続していく所存です。(海外知的財産プロデューサー 松島重夫氏)海外知的財産プロデューサーの支援事例 海外知的財産プロデューサーは、日本企業の海外進出、海外事業展開を、知的財産の視点から、無料出張相談等により支援している。海外知的財産プロデューサーが支援した企業の声を事例として紹介する。Column 14代表取締役社長 吉武俊一 氏「みまもりシステム」運用イメージ(介護施設・病院向け)

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