特許行政年次報告書 2019年版
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特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版223第9章受賞のポイント■自社のコアコンピタンスである商品開発やデザインを検討する商品戦略会議を毎週開催し、経営層(代表取締役2名を含む)が毎回参加して議論している。また、外部のクリエイターからなるアドバイザリーボードを無印良品の創生時から組織し、企業としてのクリエイティブの方向性に提言を与えている。■企画、デザイン、開発の全ての工程に、デザイナーとマーチャンダイザー、品質管理担当者が一体で参画し、無印良品らしい商品であるかを常に意識しつつ活動していくことで、最適な素材と製法、形や機能を模索しながら、「素」を旨とするデザインを追求している。本質的な機能があって、デザインに優れ、価格合理性があれば、世界で売れるとの考えのもと、海外でも店舗を順調に増やしており、世界で愛されるブランドに成長している。■ノーブランドを意味する無印というブランドを保護するため、全世界において「無印良品」を中心に様々な商標を出願・登録・管理し、個々の商品の意匠権の取得を進め、知的財産権の行使を可能にしている。海外における冒認出願や模倣品に対しては、訴訟も含め徹底した対抗策をとっており、模倣品対策のため、JETROや各国の知財関係機関、中国ECサイトとも連携している。企業担当者によるデザイン経営の紹介 当社は、1980年の無印良品誕生当時より一貫して「素材」「工程」「包装」の観点で無駄を省いた商品開発をすすめ、世界に向けて発信してまいりました。 この無印良品の思想を社内に浸透させるために、半期に1度、良品計画の役員たちが全国を回り、各地の店舗スタッフに向けて「無印良品」についての講義を行っています。 「無印良品」誕生の背景、誕生から現在までの歴史、ものづくりの考え方から最新の活動まで、多岐にわたる講義の後、相互にコミュニケーションが取れる場を設けて、参加したスタッフが納得するまで質問を受けています。 それにより、店舗で働くアルバイトスタッフまでもが無印良品の思想を理解し、なぜこの商品が生れてきたのか、なぜこのサービスを行っているのかを自身の言葉でお客様に伝えることができるようになることを期待しています。株式会社良品計画(東京都) 株式会社良品計画は、「無印良品」を中心とした専門店事業の運営、商品企画、開発、製造、卸し及び販売を行っている企業である。デザイン経営企業無印良品 誕生時の40品目(1980年)無印良品 主な商品(意匠権登録済)

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