特許庁における取組第2部特許行政年次報告書2019年版233第10章(1)特許法の一部改正①中立な技術専門家が現地調査を行う制度(査証)の創設 特許権の侵害の可能性がある場合、中立な技術専門家である査証人が、被疑侵害者の工場等に立ち入り、特許権の侵害立証に必要な調査を行い、裁判所に報告書を提出する制度を創設した[2-10-1図]。現行の損害額侵害品の販売数量個当たり利益ライセンス料相当額権利者の生産・販売能力2-10-2図 ライセンス料相当額のイメージ②損害賠償額算定方法の見直しa. 侵害者が得た利益のうち、特許権者の生産能力等を超えるとして賠償が否定されていた部分について、侵害者にライセンスしたとみなして、当該ライセンス料相当額についても損害賠償を請求できることとした[2-10-2図]。b. ライセンス料相当額による損害賠償額の算定に当たり、特許権侵害があったことを前提として交渉した場合に決まるであろう額を考慮できる旨を明記した。※②については実用新案法、意匠法及び商標法において同旨の改正を実施。③査証決定裁判所原告権利者被告被疑侵害者裁判所が第三者専門家を指定・専門家執行官)・不動産への立入り、質問、文書提示要求、装置の作動、計測、実験・原告側の立会は不可⑩秘密情報の黒塗りの判断⑦報告書送付証拠採用⑤査証実施⑥報告書作成⑫報告書開示②意見陳述①申立て④即時抗告④即時抗告⑪即時抗告⑪即時抗告⑧秘密情報の黒塗りの申立て異議申立て「侵害立証の必要性」と「秘密保護の必要性」との比較衡量秘密保護の仕組み⑨裁判所のみがインカメラにより内容を確認その例外として、裁判所が必要と認める時に限り、原告側の限られた者に意見聴取ただし、原告本人への開示は被告の同意が必要2-10-1図 査証制度のイメージ
元のページ ../index.html#263