特許行政年次報告書 2019年版
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国際的な動向と特許庁の取組第3部第1章特許行政年次報告書2019年版273(1)我が国との関係 日本国特許庁(JPO)は、Rospatentとの間で2009年5月から特許審査ハイウェイ(PPH)の試行、2010年3月から国際審査官協議をそれぞれ開始している。2016年12月には、産業財産分野における協力深化を目的とする協力覚書に署名した。 2018年5月には、ロシア開催された知的財産とブロックチェーン技術に関する国際会議において、JPOのIT分野における取組についての講演を行った。加えて、2018年10月には、第22回ロシア特許庁年次総会において、JPOの取組について講演を行った。(2)近年の知的財産政策の動向及びRospatentの取組 ロシアは、2011年12月に世界貿易機関(WTO)加盟が承認され、2012年8月に正式な加盟国となった。知的財産分野では、特許出願料を含む知的財産権関係料金について、居住者、非居住者の区分を撤廃し、統一料金を設けた。 2008年1月、特許法を始めとする多くの知的財産関連法が民法典第四部1に一本化され、2014年10月には、実用新案の実体審査の導入、世界公知の採用、及び意匠登録請求の範囲の提出の廃止等を含む民法典第四部の改正法が施行された。 2013年7月には、知的財産裁判所が稼働を開始した。知的財産関連訴訟を審議する特別商事裁判所として、第1審及び破毀審(第3審)としての役割を果たしている。 また、2016年2月、Rospatentと欧州特許庁は、2年間を期限として、サーチツール開発などITの情報共有、データ交換、専門家のトレーニング、ユーザー普及啓発活動、特許分類等の内容を含む協力プランに合意した。 さらに、2017年11月、ロシア政府は、ハーグ協定のジュネーブ改正協定の加盟書をWIPO事務局長に寄託した。これにより、ロシアは1999年改正協定の53番目の加盟国、及びハーグ制度の67番目の加盟国となった。9.ロシアにおける動向 本節では、我が国との関係に加え、ロシアにおける近年の知的財産政策の動向及びロシア特許庁(Rospatent)の各種取組について紹介する。1 民法典第四部和訳:https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/russia-minpou_no4.pdf 民法典第四部英訳:http://www.rupto.ru/content/uploadfiles/Civil_Code.pdf1-11-2

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