特許行政年次報告書 2019年版
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特許行政年次報告書2019年版284第2章グローバルな知的財産環境の整備に向けてb. 図形商標のイメージサーチプロジェクト 現在ウィーン図形分類を用いて行われている図形商標の検索について、検索負担軽減のため、イメージサーチシステムの商標審査における利用可能性及び課題について共同研究するプロジェクトである。本分野におけるTM5各庁やWIPOの取組に関する情報を引き続き収集し、必要に応じ専門家会合等の機会を設けて情報共有を行っていく予定である。c. TM5ユーザー参画プロジェクト(EUIPOとの共同) 2015年12月の第4回TM5年次会合で、JPOとEUIPOが共同で提案し、採択されたプロジェクト。本プロジェクトは、TM5協力プロジェクトにユーザーを参画させること及びユーザーへの情報発信のためのワークショップを開催することを目的としている。 本プロジェクトの一環として、INTA年次総会において、INTAとの共催によるジョイント・ワークショップを2回開催した(第1回:2017年5月、テーマは「悪意の商標出願」、第2回:2018年5月、テーマは「非伝統的商標」)。2019年5月のINTA総会で第3回を開催する予定。d. 品質管理プロジェクト(EUIPOとの共同) TM5各庁における審査実施体制・品質管理体制やその取組について情報を交換することにより、品質管理に関する相互理解・相互信頼を高めることを目的とするプロジェクト。第6回TM5年次会合にてJPO 及びEUIPOより新規プロジェクトとして共同提案し、採択された。 JPOがリードするフェーズ1とEUIPOがリードするフェーズ2の二部構成からなる。JPOリードのフェーズ1にて、2018年に各庁の取組・運用について情報を収集した。今後、結果を取りまとめた報告書案を作成し、各庁で共有を図る予定である。(4)日ASEAN特許庁長官会合 2012年から毎年、日ASEAN特許庁長官会合を開催し、JPOとASEAN諸国の知的財産庁との間の協力覚書に基づいて、ASEAN諸国における知的財産権制度や審査手続の透明化及び効率化、知的財産権制度・運用の向上、ユーザーによる知的財産権制度の活用促進、知的財産の普及啓発等を促進するべく、年度ごとの日ASEAN知的財産アクションプランを策定、レビューしている。 2018年には、9月にシンガポールにおいて第8回日ASEAN特許庁長官会合を開催した。 また、2018年11月の日ASEAN首脳会議では、日ASEAN特許庁長官会合を通じた知財協力の成果を賞賛し、特に先端技術分野の特許審査基準にかかる協力を歓迎する議長声明が採択された。(5)日中韓協力①日中韓特許庁長官会合 JPO、CNIPA、KIPOは、三庁間の協力や三庁が直面する共通の課題の解決に向けた意見交換を行うことを目的として、2001年より三国持ち回りで日中韓特許庁長官会合を毎年開催している。 2018年12月に中国・武漢で開催された第18回日中韓特許庁長官会合では、意匠、商標、審判、人材育成分野等、多方面にわたる協力について議論を行った。特に今次会合では、新たに商標分野での協力を推進することとし、具体的な協力内容は今後検討することに合意した。また、2019年度の日中韓特許庁長官会合・シンポジウムは日本で開催することとし、併せて、各バイ会合を開催することに合意した。第18回日中韓特許庁長官会合

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