特許行政年次報告書2019年版292第2章グローバルな知的財産環境の整備に向けてる限り無期限に認めるようLDCから提案がなされた。以降、LDCと各国による二国間協議等を通じて調整が行われ、2033年1月1日まで上記の経過期間と履行義務免除を認めることが合意された。②貿易政策検討制度(TPRM1) TPRMは、WTO加盟国の貿易政策及び貿易慣行について一層の透明性を確保し、理解を深めることにより、多角的貿易体制が一層円滑に機能することに資することを目的として、一般理事会の貿易政策検討委員会により実施されている。WTO加盟国の内、過去3年間の貿易量の平均の上位4か国(近年は概ね日本、米国、EU及び中国)は2年に1回、次の16か国は4年に1回、その他の国は6年に1回、TPRMの対象国となる。我が国に対するTPRMに基づく検討会合は、直近では2017 年3月に実施され、多くの国から、我が国の知的財産制度及び運用等について質問がなされた。(3)APECにおける知的財産権専門家会合(IPEG) APECとは、アジア太平洋地域の21か国・地域(エコノミー)をメンバーとして、貿易・投資の自由化・円滑化及び経済技術協力を目指す地域フォーラムである。1995年のAPEC大阪首脳会議において、貿易・投資の自由化・円滑化に関する15の優先分野の一つとして知的財産権が取り上げられ、それに対応した専門家レベルのフォーラムとして知的財産権専門家会合(IPEG)が設立された。IPEGの具体的活動としては、通常毎年2回の定期会合のほか、知的財産に関する官民合同セミナーやシンポジウムを開催している。 2018年8月の第47回会合では、デザインに関する取組、SMEsへの支援に関する取組、不正競争防止法の改正について紹介した。また、2019年2月の第48回会合では、IoT/AI関連技術に対する取組、スタートアップへの支援に関する取組について紹介した。さらに、第48回会合では、米国主催の「特許グレースピリオドに関するラウンドテーブル」にパネリストとして出席し、日本におけるグレースピリオドの法改正などを紹介した。1 The Trade Policy Review Mechanism
元のページ ../index.html#322