知的財産をめぐる動向第1部第5章特許行政年次報告書2019年版67①三次元計測 三次元計測技術は、対象が半導体集積回路の製造工程(~10μm)から、地形測量や航空宇宙分野(~10km)までと幅広く、応用・適用分野が、自動走行システム分野、製造分野、測量分野、土木・建築・社会インフラ分野など多岐にわたる。三次元検査装置市場規模は増加傾向にあり、2023年には160億ドル以上になると予測されており、三次元計測は重要度を増していくと予想される[1-5-13図]。 三次元計測における主要な応用・適用分野の出願シェアは、自動運転及び製造は我が国が、測量及び土木・建築・社会インフラは中国が最多である。そのため、中国をはじめとした他国の技術動向を注視しつつ、主要応用分野に注力することが必要である[1-5-14図]。また、測定方法では光学的測定の特許出願件数が多く、我が国の出願も多い[1-5-15図]。光学的測定は非接触のため大量の測定を高速で行うことが期待出来る。特に製造分野では、工場における省力化・自動化が望まれており、高速且つ高精度な三次元計測が必要とされている。一方、取得した三次元計測データの利活用に関する特許出願では、中国をはじめとした他国の出願が多い。今後、我が国は、データの利活用に関する技術開発にも注力していく必要がある[1-5-16図]。自動走行システム分野製造分野1-5-12図 三次元計測の応用分野(資料)特許庁「平成30年度特許出願技術動向調査報告書―三次元計測―」を基に特許庁作成(USD MILLION)その他地図測量医療エレクトロニクスエネルギー・電力建築・建設航空宇宙・防衛自動車重機械02,0004,0006,0008,00010,00012,00014,00016,00018,000202320212017201620152014(年)(予測)(予測)出荷金額(予測)1-5-13図 三次元検査装置市場の分野別推移及び予測(資料)・MARKETS AND MARKETS「3D METROLOGY MARKET GLOBAL FORECAST TO 2023」 ・特許庁「平成30年度特許出願技術動向調査報告書―三次元計測―」技術区分優先権主張2006‒2016年自動運転システム分野測量分野出願人国籍(地域)製造分野日本米国欧州中国韓国ドイツその他土木・建築・社会インフラ分野36636632317528026518515839611895842762701,3611,3611,3616666666664534534531,4321,4321,4324344344341,2931,2931,2939319319317367367364,6844,6844,6849209209208078078071,1131,1131,1139519519513,1413,1413,1411-5-14図 応用・適用分野の技術区分別―出願人国籍(地域)別ファミリー件数(日米欧中韓独への出願、出願年(優先権主張年):2006-2016年)(資料)特許庁「平成30年度特許出願技術動向調査報告書―三次元計測―」を基に特許庁作成
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