第Ⅰ部 審査総論  第1章 審査の基本方針と審査の流れ

第1章 審査の基本方針と審査の流れ

1. 審査の基本方針

審査官は、特許出願について、特許権が付与されるべきものか否かに関する実体的な審査、すなわち、特許出願が拒絶理由を有しないかどうかの審査をする。審査官には、高度な専門知識の下に、公正な判断をすることが求められる。

審査官は、審査に当たっては、特に以下の点に留意する。

2. 審査の流れ

特許出願について審査請求がなされた場合は、審査官は、以下の流れで審査をする。審査における各手順の詳細は、「第2章 審査の手順」を参照。また、審査の流れについては、第1図を参照。

2.1 一回目の審査

2.2 最初の拒絶理由通知に対する応答後の審査

2.3 最後の拒絶理由通知に対する応答後の審査

2.4 前置審査

拒絶査定がされた特許出願に対して、拒絶査定不服審判の請求(以下この部において「審判請求」という。)がされ、その審判請求時に補正がされた場合は、審査官は、その審判請求に係る出願について審査をする(第162条)。この審査を「前置審査」という。

前置審査の概要は、以下のとおりである(前置審査の流れについては、「第2章第7節 前置審査」及び第3図を参照。)。

前置審査においては、審査官は、まず審判請求時の補正が適法であるか否かについて検討する。

そして、審査官は、その補正が適法であると判断した場合は、補正後の明細書、特許請求の範囲及び図面に基づいて前置審査を進め、その補正が不適法である場合は、拒絶査定時の明細書、特許請求の範囲及び図面に基づいて前置審査を進める。

審査官は、前置審査の結果に応じて特許査定、拒絶理由通知又は前置審査の結果の特許庁長官への報告(第164条第3項)(以下この部において「前置報告」という。)をする。