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STAFF CLOSE-UP
知財にまつわるさまざまな仕事に携わる特許庁のプロフェッショナルにフォーカス。今回は、商標審査の効率化を進める商標審査官の匠が登場します。
静岡県出身。2012年入庁。15年商標審査官昇任。商標課機械化企画調整室、国際協力課商標政策班を経た後、指導審査官として審査官補の教育・育成に従事。19年より海外派遣留学生として英国留学。20年より現職。
学生時代に法律を勉強する中で、法案や制度改正に携わる国家公務員に興味を持ちました。いろいろな官庁の説明会に参加し、国家公務員でありながら人との距離が近い商標審査官という職業に引かれました。入庁後は、自治体の想いが詰まったご当地キャラクターの審査を担当するなど、出願人の想いを形にできる仕事にやりがいを実感。現在は商標審査効率化に関する業務に当たっています。
近年、増加している商標出願件数。6割以上が個人・中小企業の出願で、あらかじめ知っていれば防げたはずの拒絶理由につまずくケースも少なくないと感じていました。そこで、主に初めて出願するユーザーを対象に、出願支援ガイド「商標出願ってどうやるの?」を企画・作成。ユーザーと特許庁、双方にとって商標出願の円滑化につながっています。
また、庁内に設置された「商標審査業務効率化検討プロジェクト」の一員として、商標審査の運用面での効率化も進めています。審査官から改善案の募集をしたところ、集まった提案は200以上。新型コロナウイルス感染症拡大もあり、業務のDX化が求められる中で、 部署間で発生する手続書類の電子化を一気に進めました。より効率的かつ品質の高い審査を実現すべく、商標審査の一部にAI技術を導入する取組も推進中。商標審査は今後も進化し続けます。
商標出願のハウツーを徹底的に出願人の目線に立って記載したガイド「商標出願ってどうやるの?」。チーム内で何度も草案の検討を行い、分かりやすく読みやすい冊子を目指しました。3カ月で増刷となるほどの反響を頂いていて、ガイド作成後は、周知活動も。拒絶されない商標出願支援を推進する講演を全国で行っています。
効率的なシステム開発のために、AI技術を用いた商標審査のイメージサーチツール開発のコンペを企画・開催しています。特許庁のシステム開発において一般の方向けにコンペを開催することは初の試み で、さまざまなメディアに取り上げられ話題に。写真はオンラインの開会式です。
趣味のマラソンで培った体力と精神力を生かし社会の役に立ちたいと思い、予備自衛官に志願。休日を利用した訓練では、部隊で射撃や警備、救急法などの技術を磨き、自然災害などの有事に備えています。社会貢献が国家公務員としてのモチベーションアップになっています。