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特許庁広報室がユーザー目線で全力取材
今回訪れたのは国際協力課 海外協力班です。いつも議論が活発だという5人の班は打ち解けた雰囲気。研修の実施などを通して途上国に知財分野で協力しています
グローバル化に伴い「知財の保護」を世界全体で推進することは、海外進出する日本企業にとっても、途上国の経済発展にとってもますます重要になっています。そこで特許庁は、途上国の知財制度の整備を支援する幅広い取組を行っています。
具体的には、特許庁として途上国の政府系職員などを日本に招へいしたり、知財保護を目的とする国連の機関・世界知的所有権機関(WIPO)と協力して各国とのハイレベル会合の開催や知的財産庁の情報化を支援したり、また、独立行政法人国際協力機構(JICA)と協力して特許庁職員を知的財産制度に関する専門家として途上国に派遣したりしています。そうした活動の計画や進捗管理、関係者間の調整が私たちの主な役割です。
さまざまな国や異なる文化を前提とし、多くの関係者と調整する業務は語学だけではないコミュニケーションスキルが求められます。骨が折れることもありますが、私たちの取組が日本企業の役に立ったという報告を受けたときや、途上国研修生が感謝の言葉をかけてくれたときには、やりがいを感じます。
過去には、日本で研修を受けた方が自国で知財庁長官になり、親日派として対応してくださることで制度調和に向けた交渉が円滑に進むようになったというケースもありました。私たちの活動は、相手国の知財制度を支援するだけではなく、途上国の皆さまに日本を好きになってもらうことにもつながっているという誇りを持ちながら、業務に励んでいます。
(国際協力課 海外協力班の皆さん)
過去に知財研修を受講したカンボジアの皆さんを対象に、10月25日に現地でイベントを開きました。研修のフォローアップが行われるとともに、研修生間の連携が強まる集まりとなりました。
特許庁は1996年度から、アジア太平洋地域、中南米地域、アフリカ地域を中心とした途上国などに対して知財研修の提供や長期 研究生の招へいなどを実施。2021年度までに7300人以上が研修を修了しました。
特許庁は信託基金・Funds-in-Trust Japan Industrial Property Global(FIT Japan IP Global)による事業の実施を通じて、途上国を知財分野で支援しています。1987年の創設以来およそ90億円を拠出。WIPOと協力して100カ国以上を支援してきました。