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Vol.55
広報誌「とっきょ」2022年12月19日発行

なるほど!知財セレクション

VOL.7
クラウド診療支援システム
統合基盤DB:患者が医療機関用システムのアプリから入力したデータと、医療スタッフが医療端末から入力したデータをシームレスに連携させる仕組み
(特許第6921177号)

COMPANY株式会社メドレー

PRODUCTクラウド診療支援システム「CLINICS」

医療機関における予約、問診、診療、会計、薬・処方箋の配送を一貫して行えるシステム。2022年9月末時点で約3,000の医療現場での導入実績があり、患者向けアプリを経由した診療回数は約80万回を超える。2022年8月にはより広範囲な診察・窓口業務を統合的にサポートすることを目的に、各機能の見直しと大幅なアップデートが行われた。

オンライン診療のイメージ画像
コンセプトは「患者中心の医療を実現できるオンライン診療システム」。シームレスで無駄のない機能と操作性確保のため、医療機関と患者双方にとって最適なUI/UXを重視して開発された。

医療現場のシステムを一本化し診療業務を効率化するために

新型コロナウイルスの流行を背景に、関心が高まっているオンライン診療。草分け的存在としてこの分野をリードするのが株式会社メドレーです。2015年8月、厚生労働省からオンライン診療(当時の遠隔診療)に関する規制を緩和する見解が示され全国での実施が可能となったことを受けて、同社は2016年2月より「CLINICSオンライン診療」を提供開始。患者は専用のスマホアプリで医療機関を探して、問診に回答の上で診察を予約、当日は医師からビデオ通話による診察を受けられます。決済もキャッシュレス、薬局からの服薬指導を受けて自宅に薬が配送されるまで全てオンラインで完結します。患者側に移動時間や待ち時間の削減、交通費の負担軽減など数々の利点があるのはもちろん、システムを導入した医療機関側からも、「通院の継続につながる」と、好評の声が多いといいます。

「2018年4月の診療報酬改定におけるオンライン診療料の要件が厳しく、オンライン診療普及への道のりは平坦ではありませんでした。それでも、〈納得できる医療の実現〉を目指し、ステークホルダーとの対話などを通じてオンライン診療の適切な普及に向けたさまざまな取組を実施しました」と、同社担当者は当時の状況を振り返ります。医療現場のシステムは、個別最適化された設計や、ベンダーや製品間の連携の制約など課題が多く、一元的なシステム構築はしばしば難航します。「予約・問診・診療・会計」がシームレスにつながった「CLINICS」は、そうした問題への解答として、医療機関の支持を得ています。

長年の課題を解決するこのサービスは同社の知財戦略にも支えられています。知財業務を担当する鬼鞍信太郎さんは、「医療プラットフォーム事業に直結する機能だけでなく、シンプルで一見当たり前と思える身近な機能についても〈特許〉や〈知財〉の対象になり得ると示すことで、知財に関する社内コミュニケーションの活性化を促しています。エンジニアやデザイナーを対象とした大きめの勉強会や社内研修、少人数での雑談も交えたカジュアルなミーティングといった活動が実を結び、開発メンバーが率先して新機能の特許化を提案するシーンも増えています」と成果を教えてくれました。「医療ヘルスケアの未来をつくる」をミッションに掲げ、医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するメドレー。知財に裏付けされた、快適で便利な医療サービス体験が私たちの前に広がっています。

PROFILE

株式会社メドレー

株式会社メドレー [所在地] 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー13F
[URL] https://www.medley.jp (外部サイトへリンク)
[設立年] 2009年6月5日
[業種] 人材プラットフォーム事業 医療プラットフォーム事業
[従業員数] 約800人(2022年6月末時点)

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