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こころと体にうれしい 知財セレクション
COMPANYライフログテクノロジー株式会社
PRODUCT健康管理アプリ「カロミル」
料理や体重計・血圧計などのバイタルデータの写真を撮影するだけで、AIが栄養素(主要栄養素7項目+ビタミンなど22※項目)を分析したり自動でデータを記録してくれるアプリ。3カ月後の体重予測や推論AIによるダイエットなどのアドバイス機能もある。同社の管理栄養士チーム主導で外食チェーンやコンビニ総菜などの新商品データを常にリサーチし、随時アプリのデータベースに登録・反映している。
※iOS版。Android版は主要栄養素7項目+ビタミンなど12項目
健康づくりを心掛ける人にとって立ちはだかる「継続性」の壁。食生活改善を決意しても、食事管理が面倒になり長続きしないという人も多いのではないでしょうか。そうした悩みを解決するのが「記録をいかに簡単にするか」という点に特化した健康管理アプリ「カロミル」です。
ユーザーがやることは基本的に、毎回の食事や体重計などの数値をスマホで撮影するだけ。特別な操作は必要なく、カメラロールの画像をAIが自動で選別し栄養素の解析やデータの記録を行う仕組みです。コンビニ総菜などの膨大な商品データが登録されているため、外食・中食であっても正確な栄養記録ができることも特徴です。2023年よりバーコードと栄養成分表示の読取機能が搭載され、より一層記録がしやすくなりました。
同アプリを提供するのは「カロミル」を柱にデータプラットフォームカンパニーとして躍進するライフログテクノロジー株式会社。CEOの棚橋さんは「AIを駆使して世界中の人々の健康を食事から変えていくこと」が目標だと話します。
共同設立者の阿万CTOと共に初代「カロミル」を世に送り出したのは2015年のこと。元々はユーザーが自ら料理を検索して栄養を記録する仕組みでしたが、当時から「健康管理はユーザーの継続性がポイント」と課題を意識していたといいます。そこで開発に着手したのが「カメラロール解析機能」です。AIの知見があった阿万CTO主導で開発を進めましたが、多様な被写体から食事とバイタルデータの写真だけを抽出するシステム作りに相当な労力を要したといいます。「当初は全く関係ない画像が読み込まれる不備が頻発していました。地道にAIにさまざまな画像パターンを学習させる工程を繰り返し精度を向上。開発から8年を経て今では99%以上の精度を誇ります」(棚橋CEO)
スタートアップとして独自性をPRし、資金調達の武器ともすべくこの技術を特許出願し2018年に権利化。2022年から知財メンターの株式会社IP Bridgeを招き、オープンクローズ戦略などの知財戦略も積極的に推進しています。
現在、アプリ開発のみならず、「カロミル」のシステムやデータの他社や医療機関への提供、自治体の健康増進の取組への参画他、自社技術やデータを活用して多様な事業を展開する同社。「よりAIの精度を高めて、ユーザーにとって最適な食事メニューをデリバリーできる仕組みも作っていきたい。食の質を向上させつつ、より食事を楽しめる。そんな世界観が理想です」棚橋CEOは同社が描く未来図を語ります。
PROFILE
ライフログテクノロジー株式会社
[所在地] 東京都中央区日本橋3-2-14 新槇町ビル別館第一 1階
[URL] https://www.calomeal.com (外部サイトへリンク)
[業種] 受託開発ソフトウエア業
[従業員数] 35人(2023年11月現在)