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Vol.60
広報誌「とっきょ」2024年3月5日発行

こころと体にうれしい 知財セレクション

VOL.12
鼻パッドをなくしたズレないサングラス
眼鏡フレーム及びツル(特許第7037818号)など

COMPANY株式会社ジゴスペック

PRODUCT鼻パッドのないスポーツサングラス「AirFlyエアフライ

鼻パッドをなくし柔軟性のあるサイドパッドで頬骨をホールドすることにより、安定性・快適性を実現。鼻パッドが汗で滑り落ちることや、視界内での鼻パッドのチラつきがないのが特徴。また、レンズが曇りにくい、鼻パッドの跡がつかない(化粧が剥がれない)といったメリットもある。ランニング、自転車、野球、ゴルフ、釣り、山登りなどスポーツの特性や体格に応じて20種類以上の製品から適したものを選べる。

鼻パッドのないスポーツサングラス「AirFly」

日常使いのアイウエアを革新的アイデアで快適に

鼻パッドのないスポーツサングラス「AirFly」

日差しが強い季節の必需品になりつつあるサングラス。特に屋外スポーツを楽しむ際に利用されますが、「激しい運動をするとズレてしまう」「鼻筋にできる眼鏡跡が気になる」といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

そんな不満を払拭した画期的なアイウエアが、株式会社ジゴスペックが提供する「エアフライ」です。通常眼鏡やサングラスに付属している鼻パッドをなくし、サイドパッドで頬骨付近を支えることで、動いてもズレない安定感や、サングラスを掛けていないかのようなフィット感を実現しました。

ジゴスペックは日本随一の眼鏡産地である福井県鯖江市の会社。トライアスロンをはじめとしたスポーツが生きがいと語る吉村雅喜さんが代表を務めています。

製品の構想が始まったのは2013年。「鼻当てパッド無し眼鏡フレーム」の特許を持っていた有限会社ブリッヂコーポレーション宮下務さんとジゴスペック吉村代表を同社営業の斎藤宏さんがつなぎ、そこにデザイナーの高橋寿成さんが加わり計4人で開発がスタートしました。

宮下さんの特許技術を基に試作品を何度も作りましたが、「いかにして激しい動きでもズレないようにするか」という点に苦労したといいます。頭や耳にフィットするツルの柔らかさ、汗で滑らないサイドパッドの形状などに工夫を重ね、製品が完成したのは2015年のこと。発売後も、実際にスタッフが使用した感想を基に改良を繰り返しているといいます。

同社はエアフライを全国400店舗の小売店に卸しているほか、各地のスポーツイベントの物販コーナーに出店し、「ユーザーに直接製品を届ける」ことにも注力。

「じかに皆さんの声を聞きながら改良を進めています。そこで得た知見を基にスポーツの特性に合わせた新製品も開発しており、軽さを重視したランニング用から横目で見るのに適したゴルフ用、ブルーライトカットが付いたeスポーツ用までラインアップはさまざまです」と吉村さん。加えて、知財戦略にも力を入れており、国内特許はもちろん、海外展開を踏まえアメリカ、中国、韓国などでも特許を取得しています(欧州でも特許出願中)。

「汗をかいたり動いたりしてもズレにくいエアフライの活用場面は多種多様。今後は工場や医療用の保護眼鏡など、スポーツ以外での活用を想定した製品も作っていきたいです」(吉村さん)。私たちが当たり前に使っているアイウエアを、革新的なアイデアでもっと快適に。ジゴスペックの挑戦は続きます。

PROFILE

株式会社ジゴスペック

株式会社ジゴスペック [所在地] 福井県鯖江市神明町2-2-18
[URL] https://www.zygospec.com (外部サイトへリンク)
[業種] 製造業
[従業員数] 5人(2024年1月現在)

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