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こころと体にうれしい 知財セレクション
COMPANYNTTソノリティ株式会社
PRODUCTオープンイヤー型オーバーヘッド耳スピーカー「nwm ONE」ヌーム ワン
耳をふさがないオープンイヤーならではの開放的で広がりのある空間表現と、低域から高域までバランスが取れた高音質が特徴的な、オーバーヘッドタイプの耳スピーカー。先に製品化されていたイヤホンタイプの耳スピーカーに対して、より高い音質と音楽体験を得られるデバイスを目指して開発された。約185gと軽量なため、長時間ストレスフリーで装着できることも魅力。
コロナ禍における巣ごもりや在宅ワークの普及で、国内の約3人に1人が、イヤホンの使用が長時間化したといわれます※。長時間のイヤホン使用で、耳の疲労や耳蒸れからくる炎症に悩まされた方も多いのではないでしょうか。
こうした社会課題の解決に、「耳をふさがない」という画期的なアプローチで取り組む製品が、今回紹介する「nwm ONE」。開発したのは、NTTのグループ会社で音響関連事業を手掛けるNTTソノリティ株式会社です。代表取締役社長の坂井博さんは、「耳への負荷の軽減に加え、イヤホンをつけ続けて周囲との関係が遮断されてしまうような状況も解消したかった」と開発の背景を語ります。
nwm ONEには、二つの特徴的な技術が搭載されています。一つは、ある音波に対して位相を反転させた波形を重ねることで音が消える原理を活用し、音漏れを最小限に抑える「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)技術」。二つ目は、周囲の音をカットし自分の声だけを相手に届ける特許技術「Magic Focus Voice」です。「NTTグループに蓄積されている多様な技術を、積極的に事業化に結び付けることを目指して設立されたのが、NTTソノリティ。Magic Focus Voiceも、もともとこうした用途を想定した技術ではないのですが、新しい価値を創出することができました」(坂井社長)。
音漏れを抑えることと、高音質を実現すること。二つの命題の両立に苦労を重ねたと、プロダクトマネージャーの滝澤さんは振り返ります。「中高域用と低域用の二つのドライバーを搭載することで高音質の実現を試みました。チップ内の信号処理アルゴリズムを新規開発するなど試行錯誤を続けましたが、経験豊富なエンジニアの尽力とNTTに蓄積されたノウハウで壁をクリアし、構想から2年をかけて製品化に至りました」(滝澤さん)。
7月の発売後、一般ユーザーや音楽関係者から、開放的な装着感と高音質で高い評価を得たnwm ONE。「世の中に驚きを与え、次にごく普通のこととして定着させたいというのが私たち全員の願い。nwm ONEも、今後は音楽だけでなく、スポーツ観戦やエンターテインメント体験など、活用の可能性は無限です。『耳の可処分時間』と私たちは呼んでいますが、『就寝時以外はいつでも装着している』ような、日常的で快適なデバイスを提供したいですね」と坂井社長は展望を語ります。
※「イヤホン・ヘッドホンの長時間使用と“イヤホン蒸れ”に関する調査」(2023年6月にNTTソノリティ株式会社が実施)
PROFILE
NTTソノリティ株式会社
[所在地] 東京都新宿区西新宿3-20-2
[URL] https://ntt-sonority.com (外部サイトへリンク)
[設立] 2021年
[業種] 製造業
[従業員数] 79人(非常勤役員2人、協4人含む)※2024年9月1日時点