ここから本文です。
平成25年1月28日から29日、インドネシア・ジャカルタにおいて第36回APEC知的財産権専門家会合(APEC/IPEG: Intellectual Property Rights Experts Group)が開催されました。
会合には、日本の他、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、中国、チリ、香港、インドネシア、韓国、メキシコ、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、台湾、タイ、米国、ベトナムの計18エコノミーの代表者が出席しました。
日本より、ACTA、マドプロ、商標法条約(TLT)等の加盟促進のために、アンケート調査、IPEG会合での自主的なプレゼンテーション、ワークショップ開催等の活動を通じて、知的財産関連条約の情報・経験について共有し、各国・各地域の条約加盟に向けた自助努力を促す取組について、前回会合に引き続き提案し、承認を求めました。これに対し、共同提案者である米国、韓国、メキシコより、支持が表明されましたが、一部のエコノミーより慎重な意見が出されたため、会期間に議論を継続することとなりました。
日本より、各エコノミーの現在実施している具体的な品質監理手法について情報共有し、今後の改善、導入の参考とするための調査について、調査票を提出した8エコノミー(オーストラリア、カナダ、チリ、台湾、香港、韓国、ロシア、米国)の回答を取り纏めて、報告を行いました。
日本より、東日本大震災の発生に伴う各国・地域の知財庁の救済措置に端を発し、将来起こりうる災害への備えとして各エコノミーの救済措置について体系化してまとめAPECエコノミー全体で共有するための調査について、調査票を提出した10エコノミー(オーストラリア、カナダ、チリ、台湾、香港、メキシコ、韓国、ロシア、タイ、米国)の回答を取り纏めて、報告を行いました。
日本より、悪意の商標出願に対する取組に関して、我が国の法制度、審査基準及び審判・裁判例について、プレゼンテーションを行いました。また、メキシコ、タイからも、自国の悪意の商標出願への取組について、紹介がなされました。
日本より、2011年3月中旬に一般公開された、各庁の他庁審査結果活用(PPH等)のための申請様式、関連情報を提供するウェブサイト(http://patent.apec.org/)につき、利用状況の報告を行うとともに、より積極的な活用と情報の掲載を各エコノミーに促しました。
日本より、2011年3月中旬に一般公開された、人材育成機関の情報共有・発信のためのウェブ・プラットフォーム(http://ipac.apec.org/)につき、利用状況の報告を行うとともに、より積極的な活用と情報の掲載を各エコノミーに促しました。
韓国より、途上国における適正技術の導入・普及を促進し、持続可能な発展を支援する取組が提案され、今回会合において承認されました。具体的取組として、a.各国・地域の適正技術の導入・普及の支援策・成功事例等の調査、b.適正技術の導入・普及の事例研究の実施、c.ワークショップの開催、d.ガイドラインの作成などが挙げられています。
米国より、コピープロテクト等のコンテンツの技術的保護手段の不正回避や、不正回避を可能にする機器やサービス等の製造、提供等を防ぐための法的メカニズムに焦点を当てたモデルガイドラインの作成が提案されましたが、今回会合において、完全な合意には至らず、会期間に議論を継続することとなりました。
次回のIPEG会合は2013年6月から7月頃にインドネシア・スマトラ島にて開催される予定です。
[更新日 2013年2月7日]