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4月14日、特許庁とブラジル産業財産庁(INPI)は、リオデジャネイロにおいて両庁間の協力覚書(Memorandum of Cooperation)を締結しました。
今後、特許庁は同覚書を踏まえつつ、INPIとの情報交換や人材開発、情報技術の利用などに関する協力をさらに進めてまいります。このような取組みを通じて、今後、両国における産業財産制度に係る環境整備がさらに進展することが期待されます。
我が国とブラジルは、一昨年に日本人ブラジル移住100周年を迎えるなど、長い交流の歴史を有しています。また、近年ブラジルは目覚ましい経済成長を続ける新興国、BRICsの一角として有望な成長市場となり、国際社会においても一層重要な位置を占めつつあります。
このようなブラジルに対して、我が国はこれまで約30年間にわたり、特許庁が中心となってINPIなどから産業財産権分野の研修生を受入れてきました。また、特許庁は近時、高度産業財産ネットワークを通じてINPIに同庁の特許審査関連情報を提供するなど、多面的な支援を行いつつあります。
そのようなINPIは、近年、過去5年間で特許及び商標の審査官をそれぞれ約3倍に増員するなど、組織体制の強化を進めています。INPIはさらに昨年8月から国際調査機関(PCT国際特許出願について国際調査を行う機関)としての業務を開始し、知的財産分野における国際的な存在感も高めています。
特許庁とINPIは、両庁間のこれまでの協力関係を確認し、今後の更なる関係の強化を目指して、昨年から協力覚書の締結に向けた具体的な検討を進めてきました。そして、4月14日、INPI本庁(リオデジャネイロ)におけるINPI側の署名をもって、両庁は協力覚書を締結し、同月15、16日にブラジリアで開催された第3回日伯貿易投資促進合同委員会において、その締結を発表しました。
同覚書における協力の具体的な焦点領域には、次のものが含まれます。
また、同覚書には、協力活動に関する議論などを目的とした合同委員会の設置や、協力活動の評価の実施なども盛り込まれています。
両庁は同覚書に基づいて、産業財産権制度に関するより透明かつ合理的な手続の実現や、両庁間での情報交換、さらには一般への情報発信を促進するための協力を行ってまいります。
特許庁は昨年12月にも中国知識産権局と協力覚書を締結しましたが、今後も海外当局との協力強化を進め、グローバルな産業財産権制度の基盤整備を進めてまいります。
[更新日 2024年2月16日]