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平成17年11月21日
国際課
2005年11月4日
中国・北京 国家知識産権局
日本国特許庁(Japan Patent Office : JPO)と中国国家知識産権局(State Intellectual Property Office : SIPO)は、両庁間協力や制度改善、知財的財産権保護の取組等について政策対話を行うことを目的として、1994年より毎年両国持ち回りで日中特許庁長官会合を開催しています。
現在、中国では新5ヵ年計画案の主要目標の一つとして初めて知財関連の項目が採択されるとともに※1、国家知財戦略の策定作業が呉儀副総理の下で政府横断的に急速に進められており※2、専利法の改正の検討もこの文脈で行われています※3。今回の日中長官会合は、このような背景の中で開催されたため、長官同士の政策対話に大きな時間が割かれました。
中国における特許等の迅速・適正な審査・審判を支援するため、先端技術分野における審査官の研修や専門家の派遣、審査業務管理に関する情報提供、意匠分野の審判官会合の開催など、JPOのSIPOに対する協力を一層強化することが確認されました。さらに、将来的なサーチ・審査結果の相互利用も視野に入れ、SIPOにおけるドシエ・アクセス・システム構築に向けた情報化分野の協力を行うことについても意見が一致しました。
中国政府内において検討されている専利法の改正に関し、特に、1.「新規性阻却事由としての世界公知公用の採用」、2.「間接侵害規定の導入」、3.「部分意匠制度の導入」、4.「英語出願制度の導入」、の4点の導入について日本側から要請を行いました。
現在、中国政府内で検討中である国家知財戦略の策定について、我が国の取組の経験を伝え、模倣品対策の重要性にも触れつつ、建設的な意見交換が行われました。また、同戦略の策定にあたっては、外国の制度ユーザーの意見も参考にするよう要請しました。
※1 2005年10月11日、中国共産党中央委員会第5回全体会議において、「第11次5ヶ年計画」の案が採択された。これは2006年~2010年の中国の経済・社会の発展の主要目標を示すものであり、その7つの項目の1つとして、「独自の知的財産権やブランドを持つ国際競争力のある企業を育成する」ことが挙げられている。
※2 現在、中国では呉儀副総理をヘッドとする「国家知識産権戦略制定工作領導小組」という28の中央政府機関に跨る横断的な組織により、知的財産権の「創造」、「保護」、「活用」、「管理」、「人材育成」等を含む総合的な知的財産権国家戦略の策定作業が行われている。この組織の事務局はSIPO内に置かれており、同組織のナンバー2は、田力普SIPO局長である。
※3 中国では、特許、実用新案、意匠の3つの産業財産権が、「専利法」という1つの法律によって規定されている。現在、中国政府内において専利法改正に向けた改正課題が検討されており、2006年内に草案が作成され、2008年頃に改正される予定。
[更新日 2005年12月7日]
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