日中知財交流シンポジウムの結果概要
平成20年12月17日
特許庁
本年12月9日(火曜日)、日本国特許庁(JPO)は中国国家知識産権局(SIPO)と共催で、日中政府が知財に関連して交流を開始して30年が経過したことを祝し、また日中知財の交流が政府間のみではなく、民間における交流が進められ、また政府と連携をしてきたことを広く一般に知っていただく機会として、日中知財交流シンポジウムを開催しましたので、その模様をご報告いたします。
1. 背景・経緯
本年は、日中の特許関連の政府関係者が交流を始めて30年目の節目の年となります。日中政府の交流が開始された時期に、民間でも中国政府から研修生の受入を実施してきたように、政府間の取組に加えて、民間においても交流が進展してきました。そして現在では、官民が共同して訪日団を結成し、中国政府と交渉するなど、その取組は広範囲で深いものとなっています。本シンポジウムでは、中国における知財をめぐる状況に加え、これまでの日中知財の交流において官民が協力してきたことが日中知財システムの進展の一因になったことについて、日中の知財分野を代表する方々から講演をいただきました。
2. 実施概要
官官交流だけでなく、民民交流、官民交流も含めた日中知財の交流に関し、今後の協力の在り方や現在の中国の知財を巡る状況について講演が行われ、約210名の企業の知財専門家や弁護士、弁理士などが参加されました。
名称
日中知財交流シンポジウム ~日中知財交流30周年に寄せて~
主催
日本国特許庁、中国国家知識産権局
共催
独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)
日時・場所
12月9日(火曜日)、於:ANAインターコンチネンタルホテル
日本側(講演順)
- 鈴木隆史 特許庁長官
- 野間口有 日本知的財産協会会長
- 中島淳 日本弁理士会会長
- 中島敏 中島敏法律特許事務所 弁護士・弁理士(パネルディスカッションコーディネータ)
- 南孝一 特許技監
中国側(講演順)
- 田力普 SIPO局長
- 胡佐超 中国専利保護協会秘書長
- 李建蓉 中華全国専利代理人協会秘書長
- 武暁明 SIPO保護協調司副司長
- 姜丹明 SIPO条法司処長
SIPO国際合作司副司長

3. 結果概要
- 1)オープニングとして、鈴木長官と田局長から講演が行われ、鈴木長官から、人材育成や機械化といったこれまでの両庁間協力やイノベーション促進のための新たな協力についての期待が示され、田局長からは、中国における経済発展の中での知的財産権の重要性や両国が一層互恵的な協力をする必要性について言及されました。
- 2)野間口会長より、官官交流と民民交流、官民交流は車の両輪であり、その連携の重要性が指摘され、胡秘書長からは日中の企業間による知的財産権管理面での協力の充実への期待が示されました。中島会長(日本弁理士会)と李秘書長(中華全国専利代理人協会)は、両弁理士会による交流などを通じた民間における交流が進展している現状について紹介されました。
- 3)その後行われた 2)の講演者4名をパネラーとしたパネルディスカッションでは、野間口会長から、中国において英語出願を認めて欲しいと期待を示され、李秘書長は、弁理士のレベル向上策が必要であると言及されました。
- 4)新たにSIPOの新組織である保護協調司の武副司長から、中国国家知的財産権戦略制定による影響による法制度や法執行制度の改善等に向けた現在の取組について説明がありました。姜処長からは、日本産業界が大変関心を持っている専利法改正草案や専利法実施条例の改正草案について検討過程を含めて説明が行われ、好評を博しました。
- 5)南特許技監から、特許庁間でのサーチ・審査結果の相互利用が安定した権利の付与などに繋がり、最終的にユーザーにも貢献することについて言及され、王副司長より、日中特許庁が取り組んでいる人材育成や機械化分野での交流について紹介されました。
[更新日 2008年12月17日]
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