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平成20年12月10日
特許庁
12月8日(月曜日)、日本国特許庁(JPO)は中国国家知識産権局(SIPO)と、第15回日中特許庁長官会合を東京にて開催しました。
日中の経済的な結び付きが強まる中、経済発展の欠かせないツールである知的財産制度の調和に向け、産業財産権情報のデータ交換、機械化、専利法実施条例改正に係る意見交換会の開催、特許審査官の相互派遣や人材育成機関間会合の継続などにおいて協力して取組んでいくことに合意しました。
中国では、本年6月に「国家知的財産権戦略綱要」が公布され、また来年早々にも専利法の第三次改正が中国全国人民代表大会(全人代)で承認される予定である等、知的財産法制の大改革が進められています。
我が国産業界にとっても、中国における発明・デザイン・ブランドの保護は今後の投資環境整備の上で重要な課題であり、我が国政府としても産業界と連携し、中国独自の取組みを支援しつつ、より効果的な権利付与等の体制が構築されるよう働きかけを行っていくことが重要になります。
我が国特許庁は、SIPOとの間で両国での知財保護施策に係る情報交換に加え、審査官等の育成や審査システムの機械化等の支援を図るなど、これまで緊密な友好関係を保っており、これらの協力を発展させるため、本年度も長官会合を開催しました。
日本国特許庁(JPO):鈴木長官、南特許技監 他
中国国家知識産権局(SIPO):田(ティエン)局長 他
これまでの日中協力の結果、双方の知財制度が充実してきました。今後はより互恵的な協力関係の実現に向けて大きく前進することが期待されます。そして、本会合において、以下の事項について合意しました。
特許、実用新案の全文テキストデータを含め特許、実用新案、意匠の多様なデータを交換することに合意。日本国特許庁にとって、近年重要性を増しつつある中国語文献へのアクセスを容易にすることが重要であり、交換した中国特許文献をJPOのデータベース内に取り込み、審査官の調査に利用する予定。
特許の質を向上させ、安定した権利を付与するために、日中で産業財産権情報のデータ交換を着実に進めていくことや、ユーザーの利便性のためにも優先権書類の電子的交換を特許庁間で行うことは重要。来年度においても、機械化専門家会合を開催し、協力を進めることに合意。
中国全国人民代表大会(全人代)で中国専利法第三次改正案が検討されている中、SIPOでは具体的な事項を規定する実施条例の改正草案に関する意見募集を最近実施。このような中、日中の知的財産制度を調和させるために、専利法実施条例の改正に係る意見交換会を近日中に開催することに合意。
本年度、JPOの特許審査官をSIPOに派遣したところ、今後も、互いの審査実務及び運用の理解促進、サーチ・審査結果への信頼醸成のため、特許審査官を相互に派遣していくことに合意。
知的財産の重要性を広く一般に周知することは、日中の経済発展や模倣品対策の観点から重要。そのため、主に民間を対象としたシンポジウムの開催や教育用教材の作成等の将来の日中協力に関して、両庁人材育成機関間にて検討を行っていくことを確認。
中国専利法に創作非容易性の要件や関連意匠制度の導入が全人代で検討される中、両庁の意匠審査の運用等についてSIPOと情報交換を行うことは重要であり、意匠分野における日中審判会合を来年度開催することに合意。
SIPOにおいては、本年11月に知財人材育成に係る調査団を日本に派遣するなど、人材育成に積極的な取組を実施。このような活動を支援するために、中国からの研修生の受入等の人材育成支援を継続することに合意。
[更新日 2008年12月10日]
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