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平成20年2月26日、日本国特許庁(JPO)において、中国商標局(CTMO)との日中商標実務者会合が行われました。
今会合は、昨年10月に開催された日中商標長官級会合等の合意に基づいて開催されたものであり、3年ぶりの開催となりました。CTMO側からは、4名が出席し、JPO側からは小柳国際課長、森吉商標課長等が出席しました。
主な議題は、長官級会合等において合意された日中の協力事項に関するものであり、結果概要を次の通り報告します。
なお、会合冒頭、CTMOから、安商標局長が外事司長へ異動となり、現在は新しい商標局長が着任している旨発言がありました。
現在検討されている中国商標法改正案に関して、CTMOから、改正法案は現在SAICに送られていること、また未だ関係者内でも議論がある旨説明がありました。また、SAICでの検討が終了すれば、国務院へ提出、全国人民代表大会での審議となるが、SAICでの検討の結果、改正法案がどうなるかは現段階で予断を許さない旨の発言がありました。
我が国産業界の関心の高い、1)審査・審判の迅速化、2)外国でのみ周知な商標の保護、3)異議申立の資格制限への懸念、4)類似商標による商標権侵害の刑事罰化、の4点についてCTMO側に再度申し伝えたところ、中国側においても真摯に検討を行う旨の回答がありました。
長官級会合において合意されていた、両国の制度利用者を対象に有用な情報提供等を行う各種セミナーの開催について意見交換を行いました。
中国関係者を対象に、我が国や米国・欧州の商標出願手続きや制度を紹介するセミナーを北京で開催すること、及び我が国中小企業等を対象に中国におけるエンフォースメントや出願手続き等の情報提供を目的としたセミナーを東京で開催することについて、今後開催時期や具体的内容をJPOとCTMOの間で調整していくことで合意されました。
また、中国全省の工商行政管理局(AIC)と日系企業との意見交換を目的としたセミナーを北京で開催することについて、開催時期や開催場所、具体的内容等を、CTMO側が検討することとなりました。
さらに、知的財産権保護月間における普及活動の日中協力についても、日本側から提案をし検討していくことになりました。
長官級会合においてCTMO側から提案があった日中共同出版については、共同出版の手法について整理した上で、今後費用負担を含め詳細な議論を行うことが合意されました。
外国周知商標の保護に関して意見交換を行いました。我が国の特許電子図書館では、防護標章として登録されている商標及び異議決定・審判・判決において周知・著名な商標と認定された登録商標が公開されている旨紹介し、中国において審査の参考とするよう要請しました。
中国において品種登録された品種の名称の保護に関しても意見交換を行い、中国の植物新品種保護条例に基づき保護されている品種名と類似の商標がCTMOへ出願された場合には、その品種の権利に基づいて異議申立てが可能であることを確認しました。
次回日中商標長官級会合の開催時期について、JPOから5月末を提案したところ、CTMOからは、新しい商標局長が着任して間もないため、開催時期を遅らせて欲しい旨の要請がありました。これに対し、JPOから、当該会合は日中の協力事項について意見交換を行うものであり、新局長との関係においても早期に長官級会合を開催することが有益である旨伝えたところ、CTMO側が再度検討することとなりました。
[更新日 2008年3月3日]
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