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第5回日中韓特許庁長官会合の結果概要

1.開催日

2005年12月1日(木曜日)

2.場所

韓国・大田(テジョン) 韓国特許庁 国際知識財産研修院(IIPTI)

3.出席者

  • (日本側) 中嶋長官、他
  • (韓国側) 金(Kim)庁長、他
  • (中国側) 田(Tian)局長、他

4.日中韓特許庁長官会合とは

日本国特許庁(Japan Patent Office:JPO)、韓国特許庁(Korean Intellectual Property Office:KIPO)、及び中国国家知識産権局(State Intellectual Property Office:SIPO)は、三庁間の協力や三庁が直面する共通の課題の解決に向けた意見交換を行うことを目的として、2001年より毎年三国持ち回りで日中韓特許庁長官会合を開催しています。

5.結果概要

総括

中国では、現在、知的財産の創造と保護を強化することにより経済・産業を発展させるという新たな国家方針が明確に打ち出されているという背景(注)から、三庁間の協力について、KIPOとともにSIPOからも積極的な姿勢が示されました。
具体的には、サーチ・審査結果の相互利用を推進することについて三庁の意見が一致し、これを踏まえて今後の三庁協力の「ロードマップ」を作成することが合意されました。また、知的財産権のエンフォースメントをテーマとするシンポジウムを、中国において日中韓三国共同で開催するという日本側の提案にも、SIPOとKIPOの賛同が得られました。

各論

(1)各庁の動向

KIPOより、特許審査の処理期間(FA期間)が2005年末に17.8月になる見込みであり(2004年末は22月)、2006年末には10月にする目標であるため、2005年に約250名の審査官を採用したこと、また現在72名の職員が在宅勤務を行っているが、今後200名程度まで増やす予定であること等の紹介がありました。
SIPOより、特許審査の処理期間(最終処分までの期間)が2004年末には26月でしたが、2005年末には24月になる見込みである旨の紹介がありました。また、2005年は審査官を約300名採用し、2006年は500名程度の採用を予定しているため、2006年末にはSIPOの審査官は約2,000名になること等の紹介がありました。
JPOからは、「知的財産推進計画2005」の実施すべき事項のうち、特に「世界特許システム構築に向けた取組」について紹介し、三極間及び日韓間では「特許審査ハイウエイ」の実施に向けた議論が進んでいることを紹介しました。

(2)日中韓機械化専門家による協力

SIPOとの優先権書類の電子的交換の検討、機械翻訳に関する情報交換等の取組が進んでいることを確認しました。JPOより、1英語による情報発信の強化、2公報の全文検索等の検索機能の充実、3出願経過情報の参照機能の拡充等が重要である旨をコメントしました。

(3)エンフォースメントをテーマとするシンポジウムの共同開催

JPOより、知的財産権のエンフォースメントをテーマとするシンポジウムを中国において日中韓三庁で共同開催することを提案したところ、KIPO及びSIPOから賛同が得られました。特にSIPOからは、模倣品や知的財産権の侵害は、中国の国内企業にとっても大きな問題であるとの発言がありました。また具体的なシンポジウムの開催時期や開催形態・内容については、今後、実務者レベルで検討・協議していくこととなりました。

(4)今後の三庁協力のロードマップ作成

KIPOより、今後の三庁協力に関し、短期・中期・長期の目標を設定し、それらに沿って具体的なタスクを整理したロードマップを作成したいとの提案があり、三庁の合意が得られました。
JPOから、三庁の現状と今後の展望(三庁ともに、1国内からの出願、2外国からの出願、3外国に出て行く出願が、いずれも増加しているという共通の課題を抱えていること)を踏まえた上で、サーチ・審査結果の相互利用を推進することにより、三庁のユーザーに対し、より質の高い審査結果を迅速かつ低コストで提供していくことを三庁協力の目標・方向性とすることを提案したところ、KIPOとSIPOから賛同が得られました。
ロードマップの詳細については、今後、実務者レベルで検討・協議していくことになりました。

(注)中国共産党の2006年~2010年の新5ヶ年計画案には、7つの主要目標の一つとして、知的財産の保護を通じて優良な中国企業の育成を目指すことが明記されており、また、呉儀副総理の下、知財に関係する33の中央省庁が参加して政府横断的に国家知財戦略を策定する作業が開始されている。

[更新日 2006年1月10日]

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