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2021年11月9日
11月3日から5日に、日米欧中韓による商標五庁(TM5)年次会合が中国ホストによりテレビ会議形式で開催され、日本国特許庁(JPO)からは川上審査業務部長等が出席しました。
会合では、経済のデジタル化や新技術の開発などによる商標権者のニーズの変化に対応するため、各庁の協力を強化することの重要性を確認しました。
また、JPOが主導する「悪意の商標プロジェクト※1」、「イメージサーチプロジェクト※2」、「ユーザー参画プロジェクト※3」を含む計16の協力プロジェクト及び2つの新規提案プロジェクトについて、成果を含む進捗状況及び今後の進め方に関する活発な議論を行いました。さらに、ユーザーセッションでは、業界団体・代理人団体など各知財庁のユーザーが参加しました。各庁からの最新動向の紹介の後、ユーザーからの質問に答える形で活発な意見交換を行いました。
JPOはTM5やその他の知財庁との協力をさらに進め、日本企業の知財が海外で適切に保護、活用しやすい環境の実現を目指します。
※1 悪意の商標出願(正当な権利者以外の者による出願・登録)について、各庁の制度・運用に関する情報交換を行うとともに、ユーザーに対してこれらの情報提供を行うことを目的としている。本会合では、悪意の商標出願に関するマンガによる啓発資料の完成及び公表について報告するとともに、悪意の商標出願に関する事例集の要約版の完成に向けて作業を進めることなどの合意を得た。
※2 プロジェクト発足当初は、図形商標審査に利用可能なイメージサーチを、各庁が独自に開発促進するための情報交換などを目的としていたが、IT技術の進展等を踏まえ、対象を審査の効率化に繋がるITシステム全般に拡大した。本会合では、プロジェクト名を「商標審査のためのITサポートプロジェクト」に修正し、引き続き有益な情報交換を行っていくことについて合意を得た。
※3 EUIPOとの共同リードプロジェクト。JPOパートでは、一般ユーザーへの情報発信のため、アメリカのユーザー団体である国際商標協会(INTA)と連携して行うジョイントワークショップの開催を主導している。本会合では、2022年4月に開催予定のINTA年次総会において、次回のジョイントワークショップを開催することについて合意を得た。
川上審査業務部長と高野商標課長 ※「高」は、はしごだか。
左からバイ国際合作司長、シェン局長、ツイ商標局長(中国)
グーダー商標局長(米国)
モク商標デザイン審査局長(韓国)
アーシャンボー長官(欧州)
ワン事務局次長(WIPO)
[更新日 2021年11月9日]