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平成14年4月
経済産業省
特許庁
情報技術の急速な進展に伴い、ネットワークを利用した新たな事業活動に、即応した法整備を行うとともに、こうした社会経済の変化を契機として、特許権等の効力範囲の在り方を見直す必要がある。
また、制度の国際調和、出願人の負担軽減、特許庁における審査の効率化の観点から、特許及び実用新案の出願方式の見直しを図る必要がある。
現行法は発明が「物=有体物」として活用されることを念頭に規定されているため、コンピュータ・プログラムそのもの(=無体物)について特許法で保護される範囲は必ずしも明らかではなかった。
ブロードバンド化に伴い、CD-ROM等の媒体に記録されない状態でのインターネットを介したプログラムの販売・流通が増大してきたことに鑑み、特許されたプログラム等をネットワーク上で無断で送信する行為等も特許権侵害に当たることを明確化する。
(特許法第2条第3項)
この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
一 物の発明にあつては、その物を生産し、使用し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為
現行法は、特許権の侵害に使われる部品や材料を侵害者に供給する幇助的行為等を侵害行為に含めているが、対象を専用部品(その生産にのみ使用する物)に限定しているため、判例上も侵害が認められた事例は多くない。
このため、権利保護強化の観点から、悪意(特許発明であること及び侵害に用いられることを知りながら)で部品を供給する行為にまで間接侵害の成立範囲を拡大する。
現行法は有体物に付される商標を念頭に置いて規定されている。近年、ネットビジネスの増大に伴い、インターネット上での商品やサービスの提供も普及しており、ユーザのパソコンや携帯電話の画面上で表示される商標(マーク)についても十分な保護が求められている。
そこで、ネットワークを介した商品流通、サービス提供及び広告等の事業活動において、画面上に表示して商標を使用する行為についても、商標権侵害となることを明確化する。
(注)商標とは、商品やサービスを識別するためのマークである。
例:「WALKMAN」「一太郎」(商品)、「JAL」(サービス)
特許庁では、斬新な技術を権利化し、活用することにより、新たな研究開発への投資を行うという、「知的創造サイクル」の循環を促進すべく、以下の法改正を行ってきた。
こうした取組をさらに充実させるため、今回は、昭和34年の改正以来、抜本的な見直しが講じられてこなかった侵害行為に関する規定の改正を行う。
(1)権利の取得段階
(2)権利の活用段階
弁理士の量的拡大と業務範囲の見直し (平成12年 弁理士法改正)
(3)権利の行使段階
(1)e-Japan重点計画 (平成13年3月29日 IT戦略本部決定)
4.電子商取引等の促進 (3)具体的施策 3.知的財産権の適正な保護及び利用 エ)2001年度中に、インターネット上で取引されるコンピュータ・ソフトウェアの保護の明確化等インターネット上での知的財産保護についての検討を行い、特許法の見直しなど、所要の制度整備に取り組む。 |
(2)産業構造改革・雇用対策本部 中間とりまとめ
(平成13年6月26日 産業構造改革・雇用対策本部決定)
1.新市場、新産業の育成による雇用創出
1.ソフトウェア等情報財の特許保護強化とネットワーク取引の促進
2.特許法の間接侵害規定の拡充
3.ネットビジネスで使用される商標の信用保護強化
(1)商品商標の使用行為様態として、インターネット送信を追加
(2)サービスマーク(役務商標)の使用行為様態として、画面上に表示される場合を追加
[特許法等の一部を改正する法律について(平成14年4月17日掲載)]からリンク
[更新日 2002年8月7日]
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