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特許審査に関する新たなベンチャー企業支援策を開始します

平成30年7月
特許庁調整課

産業構造や社会の変革が急速に進む中、新たな技術開発を行い、市場を開拓する段階にあるベンチャー企業は、イノベーションにより産業の新陳代謝を促し、大企業・中堅企業との連携によるオープンイノベーションをけん引する役割を担う者として期待されています。
そこで、平成30年7月9日から、特許審査に関するベンチャー企業支援策として、以下2つの運用を開始します。

  • (1)ベンチャー企業対応面接活用早期審査(以下、「面接活用審査」という。)
    実施関連出願について、一次審査結果通知前に行う面接を通じて戦略的な特許権の取得につなげます。また、早期審査のスピードで対応することで、早期に質の高い特許権を取得できるようにします。
  • (2)ベンチャー企業対応スーパー早期審査(以下、「スーパー早期審査」という。)
    実施関連出願であればスーパー早期審査のスピードで対応することで、何よりも早く特許権を取得したいというニーズに応えます。

それぞれの運用の概要は以下のとおりです。詳細は資料1、2を参照してください。

1.面接活用審査及びスーパー早期審査の流れ

ベンチャー企業対応 面接活用早期審査

  • 面接を通じて、戦略的な特許の取得につなげます。
  • 早期審査と併用することで、早期に質の高い権利を取得できるよう、サポートします。

(図)面接 ベンチャー「発明の技術やその意義、事業戦略上の位置づけ等」 面接官「特許性に関するアドバイス、特許庁のベンチャー関連施策や知財活用の実例等の紹介等」

ベンチャー企業対応 スーパー早期審査

  • 何よりも早く権利を取得したいというニーズには、スーパー早期審査で対応します。
     
     

(図)平成29年の実績(平均)早期審査…一次審査まで約2.3ヶ月、最終処分まで約5.3ヶ月 スーパー早期審査…一次審査まで約0.7ヶ月、最終処分まで約2.5ヶ月

2.対象

「ベンチャー企業による出願」であって、「実施関連出願」が対象です。
ここで、「ベンチャー企業による出願」とは、出願人の全部又は一部が次の(i)から(iii)までのいずれかに該当するものです。

  • (i)その事業を開始した日以後10年を経過していない個人事業主
  • (ii)常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者にあっては5人)以下で設立後10年を経過しておらず、かつ、他の大企業に支配されていない法人(注1)
  • (iii)資本金の額又は出資の総額が3億円以下で設立後10年を経過しておらず、かつ、他の大企業に支配されていない法人(注1)

注1:他の大企業に支配されていないこととは以下のa.及びb.に該当していることを指します。

  • a.申請人以外の単独の大企業(資本金額又は出資金額が3億円以下の法人以外の法人)が株式総数又は出資総額の1/2以上の株式又は出資金を有していないこと。
  • b.申請人以外の複数の大企業(資本金額又は出資金額が3億円以下の法人以外の法人)が共同で株式総数又は出資総額の2/3以上の株式又は出資金を有していないこと。

また、「実施関連出願」とは、出願人自身又は出願人からその出願に係る発明について実施許諾を受けた者が、その発明を実施している特許出願のことをいいます(資料1のII.1.(2)3参照)。

なお、スーパー早期審査を申請する場合は、審査請求料の軽減申請書及び証明書・共同出願の場合の持ち分証明書を除き、その申請の4週間前から、すべての手続をオンラインで行う必要があります(資料2の1.(2)参照)。

3.申請

「早期審査に関する事情説明書」の提出が必要です。事情説明書には、早期審査を申請する事情、先行技術文献の開示及び対比説明などを記載する必要があります(資料1のII.5.(7)、資料2の2.(2)参照)。手数料は無料です。

(1)「事情」の記載

面接活用審査を希望する場合には、冒頭に「ベンチャー企業対応面接活用早期審査を希望する」ことを必ず記載してください。
スーパー早期審査を希望する場合には、冒頭に「ベンチャー企業対応スーパー早期審査を希望する」ことを必ず記載してください。
また、いずれの場合においても、「ベンチャー企業による出願」かつ「実施関連出願」であることを具体的に記載してください。

経営デザインシート(外部サイトへリンク)を作成している場合には、当該シートに記載した内容を利用して「実施関連出願」であることを記載することができます。

(2)「先行技術文献の開示及び対比説明」の記載

ベンチャー企業が単独で出願する場合においては、先行技術の開示に当たり先行技術調査を改めて行うことは必要ではありません。ただし、出願人が知っている先行技術文献との対比説明は必要となります。

4.ガイドライン等の改訂

上記運用の開始に伴い、「特許出願の早期審査・早期審理ガイドライン」及び「スーパー早期審査の手続について」を改訂しました。申請の際には、以下を御覧ください。

[更新日 2023年2月17日]

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