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令和3年7月30日
特許庁
発明者の表示については、特許法第36条第1項(同法第184条の5第1項)において、願書等に発明者の「氏名」を記載しなければならない旨を規定する一方で、出願人の表示については、出願人の「氏名又は名称」を記載しなければならない旨を規定し、発明者の表示には「名称」に相当するものが含まれていません。上記の規定の違いから、特許法第36条第1項各号に規定する「氏名」は自然人の氏名、「名称」は法人の名称を指すものと解し、同項第2号の規定に基づき記載する発明者の欄には、従前より、発明をした自然人を記載すべきものとして取り扱っています。
その他、特許法第36条第1項第2号に規定する発明者を自然人と解することは、特許法の次の規定の内容とも整合します。
すなわち、発明者は特許を受ける権利を発明の完成と同時に有する主体であり、特許を受ける権利を有する発明者が当該権利を出願前に移転することができるとするこれらの規定は、発明者は、権利能力を有する者であって出願人になり得る者として自然人であることを予定しているものです。
以上のような解釈及び上記各規定の内容との整合性の観点から、発明者の表示は、自然人に限られるものと解しており、願書等に記載する発明者の欄において自然人ではないと認められる記載、例えば人工知能(AI)等を含む機械を発明者として記載することは認めていませんので、お知らせします。
なお、実用新案法第5条第1項(同法第48条の5第1項)及び意匠法第6条第1項に規定する願書等の考案者又は意匠の創作をした者においても、特許法第36条第1項(同法第184条の5第1項)に規定する願書等の発明者の表示と同様に取り扱っています。
願書等の記載事項に不備があるものとして、手続に方式上の違反がある場合に該当することから、相当の期間を指定して手続の補正をすべきことを命じます(特許法第17条第3項(意匠法第68条第2項において準用する場合を含む)、第184条の5第2項、実用新案法第2条の2第4項、第48条の5第2項)。
[更新日 2021年10月27日]
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