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ホーム> 制度・手続> 商標> 【商標の国際出願】マドリッド協定議定書による国際出願> 株式会社デザインフィル
総合管理部 総務・人事グループ
益子悠晟 様
弊社は1950年に設立し、便箋ほか、ノート、スケッチブックなどの紙製品の製造・販売を開始しました。
現在は2つの大きな事業軸があり、ライフスタイルデザイン事業では、主力の「MIDORI」を含む個性豊かな5つのブランドを展開し、文具を中心としたプロダクトの企画・開発・製造、卸売・小売販売などを行っています。単に物を売るのではなく、それを持つことで日々が豊かになったり、気持ちが高まったりといった、ライフスタイルの提案を重視しています。
もう1つのコマーシャルデザイン事業では、ライフスタイルデザイン事業のものづくりのノウハウをベースに、企業様向けに、ODMやOEM、セールスプロモーションなどの企業コミュニケーションの設計を行っています。
日本のステーショナリーは、品質が非常に高いと海外から評価されています。紙の質感や書き心地をはじめ、細部までこだわりぬいたものづくりによって生まれたプロダクトは、海外のたくさんのお客さまからもご支持をいただいています。
ブランドは目に見えない無形資産であり、その価値を継続的に高めていくことが重要と考えています。国内外のお客様に向けてグローバルに事業展開していくためには、ブランドを防衛するための投資が必要不可欠であり、これが知財戦略の1つです。
昨今の非常に巧妙化した模倣品の流通によりブランドが毀損されてしまうような状況もある中、有効な防衛策としては、「本物を作っているのだ」という矜持を持ちつつ、ブランドとして唯一無二の世界観を追い求め続け、多くのファンの方々に価値あるものを提供し続けるという努力を継続することだと考えています。
このような小さな積み重ねがあるからこそ、たとえ特徴的な部分は模倣できたとしても、ブランドが積み重ねてきた“歴史”や“想い”といった、ブランド全体は決して模倣することができず、そこに競争優位性が生まれていくのではないかと思います。
網羅的に出願ができるという点が最大のメリットと考えています。先に第三者に商標を取得されてしまうと、それを取り返すのは非常に困難です。そのような状況を回避するための先行投資として、事業を展開する国に網羅的に出願することが重要です。
最近、マドプロ出願と直接出願の両方を行う機会があったのですが、直接出願には相当な費用がかかることを実感しました。マドリッド制度は手続が簡便で作業工程が少なく、数十万円単位で費用を節約できることから、海外で商標を出願する際には必要不可欠な制度と考えています。
事後指定という制度によって、柔軟に出願先の国を増やすことができることも利点だと考えています。
初期段階での広範囲の国際出願は、経営戦略の変更や予期せぬ市場撤退を強いられた際に足かせとなるリスクを伴います。事後指定であれば、初期段階の費用とリスクを抑えつつ、事業の成長や市場状況に応じて必要な国を段階的に追加していくことが可能です。
実際に、当所の計画にはなかった国での予期せぬ市場ニーズに対応するために事後指定を行ったケースや、冒認出願により事業進出できなかった国において、対象商標の取消訴訟が完了するタイミングに合わせて事後指定を行い、迅速かつ安全に市場参入ができたケースなどがあります。
商標権はブランドを守る上で法的な盾となります。弊社ブランドを愛用してくださる国内外のお客さまの期待に応えるためにも、商標権を世界各国で効率的に取得・活用しながら自社ブランドを守っていく必要があります。海外へ展開する製品については、今後も積極的にマドリッド制度を活用していきたいと考えています。