• 用語解説

ホーム> 制度・手続> 審判> 無効審判 > 特許無効審判における複数回の口頭審尋を活用した「計画対話審理」の試行について

ここから本文です。

特許無効審判における複数回の口頭審尋を活用した「計画対話審理」の試行について

令和2年3月
特許庁審判部

特許庁審判部は、特許無効審判事件の審理の更なる充実を図るため、令和2年4月から、複数回の非公開の口頭審尋を活用した「計画対話審理」の試行を開始します。

計画対話審理は、当事者の申出等に基づき、審判長が指定した特許無効審判事件が対象となります。

関心を持たれた特許無効審判事件の請求人又は被請求人は、事件を担当する審判書記官又は審判企画室までお問合せください。

計画対話審理の試行の背景、特徴、対象事件、及び、申出の方法は、以下のとおりです。

I. 背景

特許無効審判事件については、争点の的確な把握や技術水準に対する十分な認識を口頭でのやりとりで補うことで審理を充実させるべく、原則として全件口頭審理を実施しています。

他方で、一度の口頭審理において当事者の主張が十分に尽くされず、再度争点整理を行わざるを得ないケースも見られます。

そこで、特許庁審判部では、審理の早期の段階において、当事者による十分な主張・立証の機会を確保し、ひいては信頼性の高い審決を適時に示すことにつなげるため、非公開の口頭審尋を複数回開催することで審理を進める「計画対話審理」の試行を開始します。

図 複数回の口頭審尋を経て審決(又は審決の予告)に至るモデル(赤矢印)の例
(図)複数回の口頭審尋を経て審決(又は審決の予告)に至るモデル

II. 特徴

計画対話審理の特徴は、以下のとおりです。

1. 複数回の口頭審尋を通じた十分な主張・立証の機会の確保と、争点整理

複数回の非公開の口頭審尋(※1)を通じ、合議体は、審理の早期の段階において当事者による十分な主張・立証の機会を確保し、争点整理を図るとともに、必要であれば暫定的な心証開示を行います。

口頭審尋の場では、当事者は、主張・立証の内容について直接合議体に対して口頭で説明することができます。また、率直な議論を促すべく、口頭審尋は、ノン・コミットメント・ルール(※2)に沿って行います。両当事者の発言については、合議体が必要と判断した場合に、両当事者の合意をとったうえで記録します(※3)。

なお、円滑に口頭審尋を行うため、合議体は、必要であれば、事前に審尋事項を書面で通知します。また、当事者は、審尋に対する正式な回答等については、後日指定された日までに書面で提出します。

  • ※1 計画対話審理における「口頭審尋」とは、請求人、被請求人及び合議体の三者が集まった場において、合議体が、当事者に対して口頭による審尋(特許法134条4項)を行うことです。
  • ※2 口頭審尋における当事者の発言のうち、記録されないものについては、当該事件において当事者が主張したことにはしないというルールです。
  • ※3 したがって、口頭審尋における記録されない当事者の発言内容については、合議体は、判断の基礎とせず、当事者にも、相手方の記録されない発言内容については、主張されたものとは取り扱わないことが求められます。

2. 合意されたスケジュールによる計画的な審理の進行

第1回口頭審尋において、審判長は当事者と協力して審理計画を策定します。これにより、当事者は審理終結までの見通しを持って審理に臨むことができます。

当事者の意向や事件の内容・性質により審理計画は様々な態様が考えられますが、標準的な事件の場合には、審決(又は必要な場合は審決の予告)までに、以下の口頭審尋を開催します。標準的な事件における審理の流れの一例は、別紙1「計画対話審理の流れの一例」 (PDF:63KB)のとおりです。

  • 第1回口頭審尋:審判請求書の副本送達後に開催される、審理計画策定を中心とした口頭審尋(※4)。
  • 第2回口頭審尋:答弁書の副本送達後に開催される、両当事者の主張整理又は争点整理を中心とした口頭審尋。
  • 第3回口頭審尋:争点を最終的に確認する段階で開催される口頭審尋。

上記のそれぞれの段階における争点整理等は、口頭審尋ではなく口頭審理の場で行うことも考えられます。また、争点の整理状況によっては、口頭審理を開催しない(※5)ことも考えられます。

また、口頭審尋の追加や日程変更といった審理計画の見直しは、当事者の申出があったとき、合理的な理由があると認められれば可能です。

  • ※4 審判請求書に対する審尋等も必要に応じて行うことも考えられ、審尋の内容を踏まえて審判長が答弁期間を延長する場合があります。
  • ※5 特許無効審判事件については、原則全件口頭審理を行いますが、口頭審理を行う必要がないとの判断がされたとき等、例外的に口頭審理を行わず、書面審理によるものとする場合があります(審判便覧51-09)。口頭審理を行わない場合は、審理事項通知書は送付されず、また口頭審理陳述要領書の提出を求められることはありません。

3. テレビ会議の活用

遠方の当事者その他の特許庁への出頭が困難な当事者については、テレビ面接システム(詳しい解説は「テレビ面接審理」を参照 )を活用した審尋も可能ですので御相談ください。

4. 計画対話審理への理解と協力

充実した審理とするためには、両当事者の理解と協力が必要となります。審理計画に基づく審理進行にご協力をお願いします。

III. 対象事件

本試行の対象事件は、令和2年4月1日以降に計画対話審理の申出のあった特許無効審判事件とします。ただし、審判長が複数回の口頭審尋を行うことが効率的な審理に資さないと判断した場合には、試行の対象事件とはしない場合があります。また、申出がない場合であっても、審判長が両当事者に連絡をし、同意を得たうえで計画対話審理の試行を行う場合もあります。

試行件数が上限に達した場合は、試行を終了する場合があります。試行の結果を踏まえて、計画対話審理の本格実施に向けた検討を行います。

IV. 申出の方法

本試行を希望される場合は、原則として、請求人の場合は審判請求書の「請求の理由」欄、被請求人の場合は答弁書の「理由」欄の冒頭に計画対話審理を希望する旨記載してください(※6)。被請求人が答弁書提出前に計画対話審理の申出を希望する場合は、事件を担当する合議体の審判長又は審判書記官にご連絡ください。すでに請求済の事件に対する申出を希望する場合、又は申出の方法に不明な点がある場合は、審判企画室にご連絡ください。

審判長が計画対話審理の試行を行うと判断した場合は、審判長が、他方当事者の同意を得たうえで審理計画作成のための準備を進めていきます。他方当事者が同意しない場合は、計画対話審理の試行を行いません。

[更新日 2020年3月25日]

お問い合わせ

特許庁審判部審判課審判企画室

TEL:03-3581-1101 内線5832

FAX:03-3584-1987

お問い合わせフォーム