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大阪タオル工業組合
大阪・泉州は日本のタオルの発祥地。
泉州とは大阪府の南西部に位置する、海と山に囲まれた、気候温暖で自然豊かな地域です。日本で初めてのタオルは、約140年前にここで誕生しました。
この地でタオルを製造する大阪タオル工業組合では、バブル崩壊後、輸入タオルが激増し、組合員の廃業が増加。この状況から脱却するため、組合では、ブランド力強化を行い、OEM生産などのBtoBからBtoCへの事業の幅を広げることが急務と考えました。
泉州タオルの最大の魅力は、吸水性に優れていることです。
ポイントは、泉州タオル独特の「後ざらし」製法にあります。「さらし」とは、糸に付いた不純物を取り除き、白くする工程のことです。
この工程によって一般のタオルに比べて、吸水性に優れ、清潔で肌ざわりのよいタオルが出来上がります。泉州タオルの、一番強みです。
ところが泉州タオルを製造している当の製造者たちが、この「後ざらし」製法の魅力に気づいていませんでした。彼らにとってはごく当たり前のことだったので、まさかこれが大きなセールスポイントになるとは思ってもいなかったのです。
泉州タオルの魅力を広くPRしようと考えて立ち上がった大阪タオル工業組合。製造者へのヒアリングを重ねるうちに「後ざらし」製法こそが一番の強みであることが浮かび上がってきました。
とはいえ、「後ざらし」製法という言葉は一般には馴染みがなく、そのまま伝えても魅力的なPRには結びつきません。
そこで生まれたのが「水とともに生きる」というフレーズでした。これによって一般の人々にも、吸水性が高くて使いやすいというイメージを伝えることができると考えたわけです。
そして2021年に“水とともに生きる 泉州タオル”を商標登録しました。
“水とともに生きる 泉州タオル”は、泉州タオルの「製造工程で水をたくさん使って製織時に糸の強度を上げるために付着させている糊剤、また、(綿が持つ脂質)など不純物除去を行い、綿の持つ長所を引き出すことができる」というイメージを一言で伝えられる登録商標です。
一般の方々に魅力をストレートに伝えられると同時に、製造者も製品の長所への認識を共有しながら製造に取り組むことができます。
「後ざらし」製法は、生地を織り上げてから行うために工程に無駄がなく、水やエネルギーの消費量も抑えられます。吸水性に優れている泉州タオルは、環境に優しいタオルでもあるのです。
大阪タオル工業組合ではこの登録商標によってPRを展開。泉州タオルのさらなる普及を通じて、自然環境への配慮にも取り組んでいきます。
大阪タオル工業組合は、日本初のタオル生産地である大阪府泉佐野市を拠点に、約140年の歴史を持つ「泉州タオル」の伝統を守りつつ、品質向上やブランド力強化を推進する組合。よく水を吸い、肌触りの良い日々の生活に寄り添う機能的なタオルとして愛され続ける地域の地場産業の魅力を発信している。
【知的財産活用】
地元の名産品の強みを言語化し商標登録することで、知名度を上げるとともにブランドに対する地域の認識・想いも一つになることができた。
【地域ブランド支援】
近畿経済産業局では、2025年の大阪・関西万博の開催を踏まえ、管内地域ブランドの国内外における知名度向上のための市場開拓、インバウンド等の獲得に向けた取組に対し、関西地域で12のモデル地域を選定し、知的財産を活用しつつ、関係省庁や支援機関等との連携により支援を進めてきました。
泉州タオルは、そのモデル地域に係る地域ブランドの一つです。
URL:https://www.kansai.meti.go.jp/tiikibrand.html
展示紹介ムービーはこちら >
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