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浪江町いちじく生産組合・東京農業大学
東日本大震災からの復興を目指す福島県・浪江町。その象徴の一つと言えるのが、いちじくです。
イチジク商品の一部には浪江イチジクのロゴマークがついていますが、これは東京農業大学の学生が、被災した農家とともに頑張ろうという気持ちを込めてデザインしたものです。
生産者である浪江町いちじく生産組合と、東京農業大学の学生との連携によって生まれた、復興への取り組みです。
浪江町は、東日本大震災と、福島第一原発事故で大きな被害を受けました。徐々に復興は進んできましたが、居住人口は震災前の1割程度と、復興への道のりは道半ばです。地域を真の意味で再生させるには、人材定着が重要です。
こうした課題のもと、イチジクを浪江町の特産品とすることを目指しているのが浪江町いちじく生産組合です。
一方、浪江町の復興支援活動に参画しているのが東京農業大学の学生による「いちじく班」。この班に所属する学生たちは、浪江町の生食用として生産しているイチジクの半分以上が、品質や鮮度などの都合で廃棄されていることを知り、加工や販売方法を工夫することで食品ロスを減らすとともに、浪江町の復興につなげられないかと考えました。そして2022年10月から浪江町いちじく生産組合と協働し、浪江町のイチジクを使った商品開発・加工・販売を目標に活動しています。
こうした取り組みの中から浪江町のイチジク商品が生まれました。
東京農業大学の学生たちは、東京農業大学ゆかりの農産物やパンやスイーツなどの加工食品が並ぶ「農大マルシェ」や学園祭などで浪江町のイチジクを使ったソースやジャムを販売。さらにキャンパスを飛び出して、東京都内のイベント会場等でもイチジクソースを販売しています。
こうした浪江町のイチジクの広がりに一役買っているのが、学生たちがデザインしたロゴマークです。これは浪江町と東京農業大学のコラボ開発であれば無償で使用できるロゴマークで、現在は商標出願に向けて浪江町いちじく生産組合と学生たちが準備を進めています。
こうした活動を紹介するSNSにもロゴマークは使われており、復興に向けた情報発信にも寄与しています。
ロゴマークは、東日本大震災から復興に向けて浪江町と東京農業大学がイチジクを介してしっかりと連携していることを示す象徴です。
ここには被災した農家への「ともに頑張ろう」の気持ちが込められており、知財は、応援の気持ちを込めた贈り物にもなることがわかります。
イチジク一粒一粒には、復興と、自走できる産業づくりへの想い、未来への希望が込められています。
東日本大震災後、福島県浪江町のいちじく生産の継続と発展を目指して設立された農業組合。震災後の地域活性化を目的に、イチジクの生産・加工・販売を推進している。東京農業大学の学生と連携し、ブランド価値を高めるロゴマークを作成。商品開発や販路拡大を進め、「道の駅なみえ」などで販売を展開。知財を活用しながら、持続可能な発展を目指している。
1891年創立の、日本を代表する農学系総合大学。生命科学、環境、食品、バイオテクノロジーなど幅広い分野を研究し、「実学主義」を掲げ、社会課題解決に貢献している。国内外の農業振興や地域活性化にも力を入れ、産学連携プロジェクトを推進。近年は復興支援や食品ロス削減などの取り組みも展開し、持続可能な社会の実現を目指している。
【知的財産活用】
コラボレーションのシンボルであるロゴマークのブランドガイドブックを作成。
現在はロゴマークの商標出願を検討中。
【I-OPEN】
浪江町いちじく生産組合と東京農業大学は、特許庁I-OPENプロジェクトで支援した団体・大学です。特許庁I-OPENプロジェクトは、スタートアップ企業、非営利法人、個人等が、知財やビジネスに精通した専門家の伴走支援を受け、知財を活用しながら、社会課題解決を目指すプロジェクトです。
URL:https://www.i-open.go.jp/
展示紹介ムービーはこちら >
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