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一般社団法人 フラワーライフ振興協議会
みなさんは「フラワーロス」という言葉を聞いたことがありますか。
「フラワーロス」とは、生産された花が消費されずに廃棄されること。コロナ禍ではイベントや冠婚葬祭の中止、店舗や市場の営業停止などによって大量の花が行き場を失いました。さらに、わずかな傷があるだけの規格外の花を含め、日本では1年間で10億本以上の花が廃棄されていたのです。
花の流通小売業を営んできた松村吉章さんは、この解決のために立ち上がります。そして同じ志を持つ会社や仲間とともに、一般社団法人フラワーライフ振興協議会を発足しました。
「年間10 億本の廃棄量は1人当たり年間10本の花の購入で解決できる」
そう考えた松村さんたちは、多くの人に花がもたらす豊かさや価値を伝え、花のある暮らし「フラワーライフ」を定着させるための活動“スマイルフラワープロジェクト”を開始し、その活動のマークを商標登録しました。
商標は事業を独占するためではなく、趣旨に共感・賛同してくれる「課題解決に取り組む仲間」を増やし、一体感を強め、一緒に活動しながらプロジェクトを広げていく(ナラティブブランディング)ためのものです。その一方で、趣旨に反するものが現れれば商標権という独占排他権を行使することもできます。
「知財により私たちのプロジェクトの正当性や信頼性を守ることができるのです」(松村さん)
“スマイルフラワープロジェクト”に込めたメッセージが共感を呼び、多様な企業とのパートナーシップが始まっています。
ハンバーガーチェーンの「フレッシュネスバーガー」は、規格外の花の一輪挿しでテーブルを飾る取り組みを全店で導入。これが話題となり、様々なメディアで紹介されるほか、店を訪れた人たちがSNSで発信するなど評判になっています。
また、無印良品のアップサイクル事業「ReMUJI(リムジ)」では、繊維製品の染め直しに、廃棄された葉や茎を活用するプロジェクトがスタートしました。
このように、廃棄されるはずだった花の活躍の場がどんどん広がっているのです。
「こうした活動は、企業イメージやバリューを高めることにつながるのではないでしょうか」と松村さん。今後も“スマイルフラワープロジェクト”の商標を活用し、協業のシナジーを高めながら、活動を広めようとしています。
大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。松村さんは花の命も輝いてほしいと願っています。そして、ブルガリアパビリオンにて5月18日(日)のナショナルデーに合わせ、廃棄予定だった花を活用したフラワーカーペットを展示しました。
「私たちは「フラワーロス」の解決を目指し、花で一人ひとりの豊かで健康的な人生に寄与していきたい。そして、花の力ですべての命が生かされ輝く、多様性があふれる社会の実現に貢献していきたいと思っています」(松村さん)
フラワーライフ振興協議会は2020年に設立され、農林水産省「公共施設等における花きの活用拡大支援事業」を受託。 2023年に一般社団法人となりました。
コロナ禍に生じ社会課題ともなった大量の花の廃棄問題(フラワーロス)の解決と、花の魅力を活かした新たな生活様式(フラワーライフ)を創出すること等を目的に全国で活動を展開している協議会です。
【知的財産活用】
“スマイルフラワープロジェクト”の活動名を商標登録(商標登録第6839738号)
【I-OPEN】
フラワーライフ振興協議会は、特許庁I-OPENプロジェクトで支援した団体です。特許庁I-OPENプロジェクトは、スタートアップ企業、非営利法人、個人等が、知財やビジネスに精通した専門家の伴走支援を受け、知財を活用しながら、社会課題解決を目指すプロジェクトです。
URL:https://www.i-open.go.jp/
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