世界知的所有権機関(WIPO)の救済措置等に関する情報
平成28年6月10日
特許庁総務部国際政策課・国際協力課
世界知的所有権機関(WIPO)から、熊本地震を受けて、救済措置に関する連絡がきました。
連絡によりますと、今回の地震の影響で被災された方々に対して、以下の措置があるとのことです。
特許協力条約(PCT)に基づく特許の国際出願制度に関して
- PCT出願について、地震により優先期間内に出願できなかったものの、同12ヶ月の期限経過後から2ヶ月以内に出願可能な出願人は、優先権回復の申請を(PCT規則第26の2.3に従い)本規定を適用する受理官庁(ROs)に行うことができる(引き続きPCT規則第26の2.3(j)に適合しない締約国一覧参照-(外部サイトへリンク))。出願人はまた、優先権の回復について、該当する場合、国内段階において指定官庁(DOs)に直接申請を行うことができる(PCT規則第49の3.2参照)。
- PCT出願人が地震のために国内段階(日本又はその他の国)に移行できなかった場合、PCT規則第49.6(PCT第22条に規定する行為を行わなかつた場合の権利の回復)が有用である可能性がある(但し、国内法に反するために本規則を適用していない締約国(官庁)が10カ国あることに留意されたい)。
- PCT第48条(2)(「遵守されなかった期間(所定の期限に遅延した場合)」)及びPCT規則第82の2(「特定の期間が遵守されなかつたことによる遅滞についての指定国又は選択国の許容」)は、各官庁及び(国際調査)機関において、当該指定官庁または選択官庁により適用される国内法令に従い、PCTに関する国際段階及び国内段階での手続きにおける遅延が免責されるとする、追加的な根拠となる可能性がある。
マドリッド協定議定書に基づく商標の国際出願制度に関して
- 標章の国際登録に関するマドリッド制度に関しては、(地震などの)「自然災害」に遭った出願人または権利保有者について、郵便及び配達サービス又は電子的な通信の混乱のため、国際事務局宛ての通信に関する期限に間に合わなかった場合、(マドリッド協定議定書に基づく)共通規則の第5規則(郵便業務及び配達業務の欠陥)により、本遅延が免責される可能性がある。免責を受けるためには、当該出願人又は権利保有者は、同災害のために当該期限に間に合わなかったとする、かつ(郵便及び配達)サービスの再開後5日以内に国際事務局に対して新たに通信が行われたとする証拠(証明書類)を国際事務局に提出しなければならない。
- 如何なる場合においても、必要な証拠及び新たな当該通信は双方とも、当該所定期限から6ヶ月以内に国際事務局に受理されなければならない。
ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際出願制度に関して
- 意匠の国際登録に関するハ-グ制度に関しては、ハーグ協定の1999年(ジュネーブ)改正協定及び1960年(ハーグ)改正協定に基づく共通規則の第5規則(郵便業務及び配達業務における不備)において、マドリッド制度で適用される措置と同様の救済措置が提供されている。自然災害に遭った出願人又は権利保有者が国際事務局宛ての通信に関して、郵便及び配達サービスの混乱のため、期限に間に合わなかった場合、当該遅延は免責となる可能性がある。ハーグ協定に基づく共通規則の第5規則とマドリッド議定書に基づく共通規則の第5規則は、同様に機能する。従って、当該出願人又は権利保有者は、同災害のために当該期限に間に合わなかったとする、かつ(郵便及び配達)サービスの再開後5日以内に国際事務局に対して新たに通信が行われたとする証拠(証明書類)を国際事務局に提出しなければならない。
- また、必要な証拠及び新たな当該通信は双方とも、当該所定期限から6ヶ月以内に国際事務局に受理されなければならない。
[更新日 2016年6月10日]
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