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環太平洋パートナーシップ(TPP)協定における産業財産権分野の概要

2016年2月4日に署名された環太平洋パートナーシップ(TPP)協定(※)における産業財産権分野の概要をご説明します。

(※)TPP協定署名後、2017年1月に米国が離脱宣言をしたため、米国以外の参加国11か国は協定の早期発効を目指して協議を行い、同年11月に、TPP 協定のうち一部の項目の凍結を含む環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の大筋合意に至り、2018年12月30日に同協定は発効しました。

【TPP協定における産業財産権分野の主な規定の概要】

(産業財産権分野の規定は第18章「知的財産」中に盛り込まれている。)

1. 手続の簡素化・透明化

(1)国際協定(商標権の取得の円滑化)(第18.7条)

国際的な商標の一括出願を規定した標章の国際登録を定めるマドリッド協定議定書又は商標出願手続の国際的な制度調和と簡略化を図るためのシンガポール商標法条約を締結することを規定した。

(2)特許の出願公開(第18.44条)

特許出願の出願日又は優先権が主張される場合には、最先の優先日から18か月を経過した後速やかに公開するよう努めることを規定した。

2. 知的財産の保護強化

(1) 医薬品の知的財産保護を強化する制度の導入(第18.48条、第18.50条、第18.51条、第18.53条) ※第18.48条、第18.50条、第18.51条はTPP11協定において凍結

特許期間延長制度(販売承認の手続の結果による有効な特許期間の不合理な短縮について特許権者に補償するために特許期間の調整を認める制度,第18.48条)、新薬のデータ保護期間に係るルール(第18.50条、第18.51条)、特許リンケージ制度(後発医薬品承認時に有効特許を考慮する仕組み,第18.53条)を定めることを規定した。

(2)特許期間延長制度(第18.46条) ※TPP11協定において凍結

特許につき、出願から5年、審査請求から3年を超過した特許出願の権利化までに生じた不合理な遅延につき、特許期間の延長を認める制度(第18.46条)を定めることを規定した。

(3)新規性喪失の例外規定(第18.38条)

特許出願前に自ら発明を公表した場合等に、その者が公表日から12か月以内にした特許出願に係る発明は、その公表によって新規性等が否定されないとすることを規定した。

3. エンフォースメント強化

(1)法定賠償制度・追加的賠償制度の導入(第18.74条)

商標の不正使用及び著作権等の侵害について、法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度を設けることを規定した。

(2)国境措置の強化(第18.76条)

商標権又は著作権及び関連する権利を侵害する疑いのある輸入、輸出、若しくは領域を通過する物品について、権限のある当局が職権により差止め等の国境措置を行う権限を付与することを規定した。

(3)刑事罰の強化(第18.78条等)

営業秘密の不正取得、商標を侵害しているラベルやパッケージの使用、映画の盗撮に対する刑事罰を義務化することを規定した。

(4)非親告罪化(第18.77条)

故意による商業的規模の商標の不正使用及び著作権の違法な複製等を非親告罪とすることを規定した(ただし、著作物等を市場において利用する権利者の能力に影響を与える場合に限定することができる)。

協定のテキスト全文はこちら(内閣官房ホームページ)(外部サイトへリンク)

関連情報

[更新日 2024年2月16日]

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