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11月5日から6日、日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、欧州連合知的財産庁(EUIPO)、中国国家知識産権局(CNIPA)、韓国特許庁(KIPO)による第4回意匠五庁(ID5)年次会合が、韓国・ソウルにて開催され、日本国特許庁から澤井審査第一部長が出席しました。
会合では、第四次産業革命の進展を背景とした新技術意匠の保護強化を共に目指すとする「ID5共同声明」を採択するとともに、意匠制度の国際的な協調や利便性向上に資する取組を、新たに開始することとしました。
澤井審査第一部長(右から二番目)と各庁代表者
今回の第4回年次会合では、意匠保護に関する国際協力の強化と将来的な制度運用の国際調和、利便性の向上にもつながり得る、以下の成果を得ました。
ID5は、GUIに代表されるデジタル技術由来の新しいデザイン等(新技術意匠)の保護に関する実務、意匠の保護要件、部分意匠、グレースピリオドに関する五庁の制度比較調査結果等を取りまとめるとともに、「ID5ユーザーセッション」を開催し、これらの調査結果について、五庁の意匠制度ユーザーへ情報共有を行いました。
特に、新技術意匠の保護については、第四次産業革命の進展を背景にその利用が拡大する中、ID5が、共に新技術意匠の保護強化をめざすことの重要性についてまとめた「ID5共同声明」を採択しました。また、ユーザーセッションでは、五庁ユーザー代表からの発表も交え、多様化する新技術意匠の保護の重要性や制度運用の国際調和に向けた要請が多くなされるなど、五庁とユーザーとの間で活発な議論が行われました。
ID5は、意匠制度の国際的な協調や利便性の向上に資する、6つの新たな協力プロジェクトを採択しました。
中でも、意匠登録出願手続(方式要件)の国際的な調和の実現に向けて、現在、世界知的所有権機関(WIPO)での条約採択に向けた検討が停滞している意匠法条約(DLT)草案について、ID5がこれを国際的に推奨していくためのプロジェクトを立ち上げ、今後、JPOとUSPTOが、その議論を主導していくこととなりました。
2019年におけるID5会合は日本開催とし、事務局をJPOとすることが決定しました。2019年は、ID5の開始から5年目という節目の年に当たります。今次会合では、我が国から、五庁協力の更なる発展についての提案を行いました。2019年のID5会合では、それまでの五庁協力の成果を踏まえつつ、国際協調や権利の質的向上に向け、更なる協力の方向性についての検討を行う予定です。
JPOは、我が国の優れた意匠が世界でより適切に保護、活用されるための環境の整備に向けて、五庁間の連携を緊密にしながら、引き続き取組を進めて参ります。
[更新日 2021年3月17日]
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