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第5回日ASEAN特許庁長官会合の結果について

2015年5月25日

本件の概要

5月25日、日本国特許庁とアセアン各国知財庁による第5回日アセアン特許庁長官会合が奈良市において開催されました。

本会合では、2015年度の知財分野の協力プログラムを策定するとともに、知財協力の深化を通じてアセアン経済共同体の実現に貢献することを確認し、「日アセアン知財共同声明」を採択しました。

1. 背景

我が国からアセアンへの輸出額は、米国、中国に次ぐ規模※1であり、2013年度の我が国の海外現地法人数の増加数も、アセアン5か国(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン)の合計が中国を上回るなど※2、アセアン諸国は我が国企業の今後の事業展開先として有望視されています。

他方、審査の遅れや、商標や意匠の国際出願制度※3への加入の遅れなど、アセアン諸国の投資環境整備の観点から、これら地域における知的財産制度の整備・強化が急務となっています。

このような問題意識から、日本国特許庁は、2015年の経済統合を目指すアセアン全体の知的財産制度整備を推進すべく、2012年2月にアセアン諸国の知財庁とのハイレベルな対話の機会として日アセアン特許庁長官会合を創設し、ユーザーニーズを踏まえながら、人材育成・知財インフラ整備等の支援を行ってきました。

2. 結果概要

2015年5月25日、奈良市において、第5回日アセアン特許庁長官会合が開催され、以下のとおり、我が国とアセアンの知財協力を強化することが確認されました。

あわせて、日本国特許庁は、アセアン10か国の知財庁長官とそれぞれ会談を行い、各国との二国間協力についても強化していくことを確認しました。

(1)2015年度の日アセアン協力プログラム

2012 年以降、我が国のアセアンへの知財協力を毎年レビューし、協力プログラムを策定しています。

今次会合においても、以下の項目についての日本国特許庁の知見の共有の強化を含む、新たな協力プログラムが策定されました。

  • 国際出願制度(マドリッド・プロトコル)特有の実務
  • 特許審査の品質管理
  • 知財庁における人材育成、審査業務管理

(2)日アセアン知財共同声明

日本国特許庁とアセアン各国知財庁との間で、2016 年以降も知財協力の深化を通じてアセアン経済共同体の実現に貢献することを確認し、「日アセアン知財共同声明」 を採択しました。

具体的には、下記の事項について日アセアン相互の利益となるとの認識を共有しました。

  • 日本とアセアンとの相互の繁栄のために協力を更に強化すること
  • 貿易・投資の円滑化やイノベーション・技術移転を促進し持続的な経済発展を実現するために、各国の状況に応じた産業財産制度が重要であること
  • 日本とアセアンの知財協力の深化が、アセアン経済共同体の実現に資するものであること

(3)各国との今後の協力

日本国特許庁の伊藤長官は各国知財庁長官等と会談し、各国の制度・運用の整備状況や課題に応じた二国間協力の強化を確認しました。

  • シンガポール、フィリピンの各知財庁とは、初めて特許公報等の特許情報のデータ交換を行うことになりました。
    日本国特許庁は、今後、両庁から受領するデータを、日本語のウェブサービスから提供する準備を進めて参ります。
    これにより、我が国のユーザーが、シンガポール、フィリピンの出願状況等を容易に把握できるようになり、両国での権利取得を円滑化する上で有効活用されることが期待されます。
  • 知的財産庁の設立へ向けて準備を進めているミャンマーに対しては、本年3 月に同国科学技術省(MOST)へJICA専門家として特許庁職員を長期派遣するなど協力強化を進めているところ、引き続き協力を継続することを確認する協力覚書を日本国特許庁とMOSTの間で署名しました。
  • ブルネイ、ラオス、タイの各知財庁とは、新たに二庁間の協力覚書に署名しました。
    これにより、日本国特許庁は、アセアン10か国全ての知財庁との間で協力覚書を署名しました。

(4)アセアン特許庁シンポジウム

翌5月26日、奈良市においてアセアン特許庁シンポジウムを開催し、日本企業等のユーザーに対して、アセアン各国知財庁長官から、各国における知的財産制度の現状、知的財産権保護に関する最新の取組などが紹介されました。

3. 今後の取組

今後も日本国特許庁は、ユーザーニーズを踏まえつつ、アセアン全体及びアセアン各国知財庁との対話を深化させながら、適切な知的財産の保護が図られるよう、アセアン地域における知財協力を総合的に推進してまいります。

このような協力の推進により、アセアン諸国の知的財産制度の整備を支援することで、企業活動等の環境整備を促進し、アセアン地域ひいてはアジア全体の経済発展に貢献してまいります。

 


  • ※1 2013年財務省貿易統計
  • ※2 国際協力銀行(JBIC)「2014年度海外直接投資アンケート結果(第26回)」
  • ※3 マドリッド・プロトコル(商標)、ハーグ協定ジュネーブ改正協定(意匠)

 

(写真1)第5回日アセアン特許庁長官会合 in 奈良

第6回日アセアン特許庁長官会合 in 奈良

[更新日 2017年6月1日]

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特許庁総務部国際政策課多国間政策第三班

電話:03-3581-1101(内線2571)

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