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国際的な出願の80%以上を占める三極特許庁(日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、欧州特許庁(EPO))は、三庁に共通する課題を共に解決するため協力活動を行っている。この活動は1983年より開始され、今年2003年で21年目を迎えた。
日米、米欧、欧日の各二庁間プロジェクトの現状報告がなされた。
今後は、今秋の長官会合までに、現在のバイレベルでの検討内容のうち、三極特許庁間で共通する問題について検討する運営委員会を開催することとなった。
欧米間で進められている電子包袋システム構築のための共同プロジェクトの進展について報告がなされた。JPOからは、機械翻訳システムを介してJPO内の電子出願情報に他庁がアクセスできる環境の構築を検討中である旨報告した。
JPO/IPDLの翻訳サーバーの技術を活用した三極特許庁審査官が利用可能な日英機械翻訳システムを開発することとなった。
DNAサーチ結果交換の試行結果について報告された。三極特許庁それぞれのサーチ範囲及びサーチツールに多少の違いがあったものの、サーチ結果自体に大きな違いは見られなかった。
今後、本格的な交換実現に向けて、WL軽減効果、サーチ戦略、交換手法等について継続して検討が行われることとなった。また、バイオテクノロジーの専門家によるワーキンググループ会合を、今秋の長官会合までに開催し、サーチアルゴリズムについての検討を中心に行うこととした。
三極特許庁による比較研究の成果として審査実務に関する報告書が採択され、三極ウェブサイトに掲載して一般に公開することとした。
今後、この比較研究を継続することとし、2003年7月のPCT国際機関会合の前に、専門家による複雑出願の観点及び単一性の観点から検討するための会合を、EPOがホスト国として開催することとなった。
*1 スニップス(SNPs)Single Nucleotide Polymorphisms(一塩基多型)の略。SNPsは、個人間における遺伝子の違いを意味する。ヒトの場合、各人が持っているゲノム(DNA)は、それぞれ約0.1%ずつ異なっている。
*2 ハプロタイプ(Haplotypes)ハプロタイプとは、まとまって子孫へ伝わるSNPのセットのこと。いずれも薬剤の効果・副作用、疾患の発症などの個人差に関与し、その解析がテーラーメイド医療実現のための有効な方策であるとされている。
三極ネットワークのインターネット化に関する今後のスケジュールについて合意がなされた。
*3 三極ネットワーク(TRINet)1997年11月の三極特許庁会合での合意に基づき設置された、三極特許庁間を結ぶ通信回線によるネットワーク。
TRINet-WIPONET-PatNETの相互接続に関する議論の進捗報告がなされた。
今後、WIPONET上のディスカッションサーバを使用した意見交換を継続するとともに、第2回アドホック・タスクフォース会合を2003年10月にジュネーブで開催することとなった。
*4 WIPONET WIPOがメンバー国すべての知的財産所轄官庁の接続を目指して構築したグローバル情報ネットワーク。
*5 PatNET EPOが運営する、EPOと欧州内知的財産所轄官庁とを結ぶネットワーク。
IPCリフォームと三極分類調和(”HARMONY”)プロジェクトの進展による分類調和の進展が報告された。三極特許庁は2005年1月のIPC第8版(IPC-2005)発効に伴い2004年中頃までに準備を整えることが重要であることを確認した。
昨年までは四半期ごとに三極特許庁間で交換しWIPOへは年1回通知していた出願統計データにつき、今年度より2ヶ月のタイムラグでの暫定値を毎月交換すると同時にWIPOへも当該数値を通知することとした。またビジネスデータの交換も開始することとした。交換データの詳細は、今後、2003年8月の統計WG会合で話しあうこととなった。
特許情報普及ポリシーを三極特許庁間で情報交換し共有することで合意した。
PCTガイドラインの改訂案に関して検討する三極特許庁会合を2003年7月のPCT国際機関会合前に開催することとなった。PCTミニドクの範囲の拡大に関しては、不必要なワークロード増大を避けるという観点からの検討も不可欠であるという点で三極特許庁は共通の理解をしていることを確認した。
[更新日 2003年6月26日]
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