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(左より OHIMカンピーノ長官、KIPOイ商標デザイン審査局長、USPTOコーン商標担当コミッショナー、SAIC李商標局副局長、JPO橋本審査業務部長)
2011年12月5日から7日に、拡大商標三極会合が米国・アレキサンドリアの米国特許商標庁(USPTO)で開催されました。今回の会合では、今年5月に日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)の商標三極で開催した、商標三極フォローアップ(中間)会合での合意に基づき、韓国特許庁(KIPO)をパートナー(正式メンバー)として迎え入れて開催する初めての会合となりました。KIPOの正式参加にともない、会合の名称を「TM4」とし、4庁はメンバーシップやプロジェクトへの参加方法などを規定した会合全体のガバナンス(運営)に関するルールに合意しました。
なお、今次会合にオブザーバーとして参加した中国国家工商行政管理総局(SAIC)は、会合閉会後の12月9日(金曜日)に拡大商標三極への正式な参加表明があり、パートナーとなりました。
さらに、前回会合の合意に基づき、世界知的所有権機関(WIPO)がオブザーバーとして参加しました。
商標セッションでは、パートナーで取り組む協力プロジェクト、分類の共通化、IT関係について建設的な議論が行われました。また、前回の東京会合から始まったユーザーセッションは、前回の2時間から半日に拡大して開催され、日米欧韓から11のユーザー団体が参加し、活発な議論が行われました。
意匠セッションでは、各庁の進展に関する報告、優先権主張の審査及び意匠図面に関する要件について議論し、初めての意匠ユーザーセッションが行われました。
主な議論の内容については以下のとおりです。
会合の名称をTM4とすること、会合の目的、ミッション、進め方、プロジェクトのあり方、オブザーバー、他庁との協力などについて規則を明文化しました。
JPOから図形商標検索に関する機械検索に向けた共同研究の提案を行い、図形審査の判断に関する情報交換を行っていくことに合意しました。
OHIMからプロジェクトの進め方に関するルール(methodology)が提案され、合意されました。今後OHIMからワークプランが提供されることとなりました。
これまで2回中国で開催された悪意の商標出願に関するセミナーを、引き続きワークショップ形式(セミナー形式)で行うこととして検討を進めることが合意されました。
各庁より、過去1年間の進展、審査処理と生産性、審査の質の管理、今後の商標制度の動き等に関する報告と意見交換が行われました。
三庁IDリストについて、その利用促進を図ること及び、第三国の参加拡大について引き続き検討していくことで合意しました。
昨年に引き続きユーザー団体(日本からは日本商標協会、日本弁理士会、日本知的財産協会の3団体、日米欧韓で11団体)を招いて意見交換を行いました。
出願件数や審査官数、審査期間、料金など主要な事項の統計の共有について進めてきており、各庁を比較する上で意味のある統計が整備されつつあることを確認しました。各庁の統計の事前分析を行う時間を確保するため、会合前に各庁の統計がパートナーに提供されること、可能な限りにおいて予測値を入れることに合意しました。
TM4で共通な、案件の状態を表示するための共通ステータスディスクリプタの構成について、JPOが提案した3階層構造を取り込んだ構成にすることで合意しました。
また、OHIMが主導する共通の検索エンジンにより、各庁の商標データベースにアクセスする情報検索ツールである“TMビュー(TM-View)”への参加可能性について、引き続きワーキンググループで検討することに合意しました。
各庁のエンフォースメント分野における最新の状況について情報交換を行いました。
1年間の進展に関する報告、優先権主張の審査及び図面要件について各庁の発表後、質疑応答が行われ、また今回より意匠としては初めて、ユーザーセッションが商標と並行して行われました。
参加したユーザー団体(日米欧から計4団体)からは、主に各国の図面要件やヘーグ協定加盟に向けた検討状況に関する質問、コメントが寄せられ、特に図面要件の調和に関する期待が示されました。各庁とユーザー団体はユーザーを交えた本セッションが有意義である点を確認しました。
前回会合で合意し今年実施した半期に一度の統計情報交換について、新たにKIPOを加えて4庁間で引き続き実施することで合意しました。次回会合では、今回議論する予定であった品質監理(時間不足のため次回に持ち越し)を議題とすることに加え、図面要件の更なる議論や事例比較、ヘーグ協定加盟に関する進捗報告、GUIやアイコンの保護など、各庁から提案のあったテーマの中から、次回会合までに各庁担当者間で議題を決めることで合意しました。
次回会合は、OHIMがホストを務めることで合意しました。
(仮訳)
アレキサンドリア、ヴァージニア、2011年12月5日から7日
共同声明
日本特許庁(JPO)、韓国特許庁(KIPO)、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)、アメリカ特許商標庁(USPTO)(以後「パートナー」という)は、2011年12月5日から7日にヴァージニア州アレキサンドリアで拡大商標三極会合を開催した。パートナーは、中国国家工商行政管理総局(SAIC)及び世界知的所有権機構(WIPO)をオブザーバーとして招待し、その参加及びプレゼンテーションに感謝している。
パートナーは、また、年次会合において2年連続でユーザー団体とのセッションを開催したことに満足している。
パートナーは、以下のことに合意した。
運営規則
現行の協力プロジェクト
協力プロジェクト
協力分野
パートナーは、WIPOをオブザーバーに迎え、各庁の意匠制度及び実務について情報や意見の交換を行い、特定の論点(優先権主張の審査及び図面要件)について議論した。パートナーは、品質監理のシステムとそのプロセスに関する議論を次回会合に持ち越すことに合意した。
パートナーは以下の結論に達した。
パートナーは、KIPOを含めて共通統計項目の交換を継続することに合意した。
パートナーは、次回会合がOHIMより主催されることに合意する。
[更新日 2011年12月26日]
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