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第40回三極特許庁長官会合の結果について

2022年11月11日

特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)及び欧州特許庁(EPO)は、9日、米国ノースカロライナ州ダーラムにて第40回三極特許庁長官会合(*)を開催しました。また、この会合に先立ち、8日には日米欧の三極ユーザー団体(IT3: Industry Trilateral**)を招待し、三極特許庁長官・ユーザー会合を開催しました。

また、これらの会合にあわせて、8日には、米国特許商標庁(USPTO)主催の知財イベント「国際的な視点: 知財、中小企業、グローバル市場」が開催され、特許庁(JPO)からは濱野長官が参加しました。

さらに、特許庁(JPO)と米国特許商標庁(USPTO)とは8日にバイ会合を実施し、日米協働調査試行プログラムの申請手続の簡素化に合意しました。

1. 三極特許庁長官会合及び三極特許庁長官・ユーザー会合

三極特許庁長官会合(以下、「長官会合」)及び三極特許庁長官・ユーザー会合(以下、「長官・ユーザー会合」)の会合では、デジタル化への取組、特許集約産業に関する分析、中小企業支援、包摂的イノベーションについて議論を行いました。

また、長官会合の開催が40回目という記念すべき節目を迎えたことを受け、三極特許庁がこれまで行ってきた主な取組を振り返りました。具体的には、特許庁(JPO)を議長とする作業部会での検討を経て2009年1月から導入された「共通出願様式(Common Application Format)」や、特許庁(JPO)主導のもと三極特許庁が2022年3月に開催した「三極知財・環境問題シンポジウム」について、その成果が確認されました。

(1) デジタル化への取組

長官・ユーザー会合では、三極特許庁から、各庁が推し進めているデジタル化への取組を紹介し、三極ユーザーから今後の更なる進展に期待が寄せられました。特許庁(JPO)からは「特許庁における手続のデジタル化推進計画」について説明しました。

長官会合では、長官・ユーザー会合の結果を受けて、三極特許庁が、ユーザーの利便性を高めるために今後もデジタル化を推進していくことが重要であることを確認しました。

(2) 特許集約産業に関する分析

長官・ユーザー会合では、特許庁(JPO)から、日米欧において特許を多く生み出した産業(特許集約産業)の経済特性に関する分析結果を発表し、高い関心が示されました。 日本において2013年~2017年に取得された特許に基づき、雇用者数1人あたりの特許件数が平均以上である産業を「特許集約産業」と特定する分析を試行的に行ったところ、製造業・情報通信業が特許集約産業に該当し、特許集約産業の雇用者数は日本の総雇用者数の16.8%(2020年)、生み出した付加価値はGDPの22.5%(2020年)、雇用者1人あたりの報酬は非特許集約産業と比べ39.3%高い(2020年)、という結果になりました。会合においては、米国及び欧州の特許集約産業との共通点についても議論しました。

長官会合では、長官・ユーザー会合で寄せられた意見に基づき、分析結果の取扱いについて今後の方針を議論しました。

(3) 中小企業支援

長官・ユーザー会合では、三極特許庁から中小企業向けの支援施策等を紹介し、三極ユーザーから意見が寄せられました。特許庁(JPO)からは「中小企業・スタートアップの知財活用アクションプラン」について説明しました。

長官会合では、三極ユーザーからの意見を踏まえ、イノベーションの源泉である中小企業に対して、引き続き様々な知財支援を検討していくことが重要であることを確認しました。

(4) 包摂的イノベーション

長官・ユーザー会合では、三極特許庁から、あらゆる立場の者をイノベーションに参加させるための様々な取組が紹介され、三極ユーザーから、様々な意見が寄せられました。特許庁(JPO)からは、社会課題を解決しようと取り組む者を、知財の面から伴走型支援(メンタリング)する「I-OPENプロジェクト」について説明しました。

長官会合では、三極ユーザーからの意見を踏まえ、三極特許庁が今後この分野において協力していく可能性について議論しました。

2. 米国特許商標庁(USPTO)とのバイ会合

特許庁(JPO)及び米国特許商標庁(USPTO)は、バイ会合を実施し、日米協働調査試行プログラムの申請手続を簡素化するための統一申請書を導入することで合意しました。詳しくは以下を参照ください。

プレスリリース:「日米協働調査試行プログラムの申請手続を簡素化します」(経済産業省のページへ)

3. 知財イベント「国際的な視点: 知財、中小企業、グローバル市場」

米国特許商標庁(USPTO)主催の知財イベント「国際的な視点: 知財、中小企業、グローバル市場」が開催されました。

特許庁(JPO)の濱野長官、米国特許商標庁(USPTO)のヴィダル長官及び欧州特許庁(EPO)のカンピーノス長官が登壇し、知財制度が中小企業のために果たすべき役割について議論しました。

(写真)左から、ヨルゲンセン事務局次長、カンピーノス長官、ヴィダル長官、濱野長官
左から、ヨルゲンセン事務局次長、カンピーノス長官、ヴィダル長官、濱野長官

* 三極特許庁長官会合参加者
日本国特許庁(JPO):濱野長官 他
米国特許商標庁(USPTO):ヴィダル長官 他
欧州特許庁(EPO):カンピーノス長官 他
(オブザーバー)世界知的所有権機関(WIPO):ヨルゲンセン事務局次長 他

** IT3:日本知的財産協会(JIPA)、米国知的財産権法協会(AIPLA)、米国知的財産権者協会(IPO)、ビジネス・ヨーロッパ(BE)

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[更新日 2024年2月19日]

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