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第1回商標五庁会合(TM5)の結果について

第1回商標五庁会合(TM5)

(写真)左前から、許商標局長(SAIC)、古瀬審査業務部長(JPO)、イ商標デザイン審査局長(KIPO)、コーン商標局長(USPTO)、カンピーノ長官(OHIM)

2012年10月30、31日に、第1回商標五庁会合(TM5)がスペイン・バルセロナで開催されました。

日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)、中国国家工商行政管理総局(SAIC)、韓国特許庁(KIPO)の商標関係の代表が集まり、日米欧中韓の商標五庁間で知財分野における商標の国際的な協力の必要性が共有されるとともに、今後商標五庁間で国際協力を推進していくことが確認され、共同声明が採択されました。

今次会合では、商標における制度・運用の分野、各庁の審査処理の分野とユーザーへの有効なサービスの提供の分野に関する協力プロジェクトを推進していくことが合意されるとともに、同時に開催された各国のユーザーとの会合において、この協力プロジェクトに関する議論が行われました。

また、次回会合は、KIPOがホストを務めることで合意しました。

商標に関する主な議論

冒認商標問題の顕在化を受け、我が国特許庁は、この問題に関する協力プロジェクトにおいて、各庁の制度や運用について情報の共有を図り、効果的な対応策を得るための共同研究を進めていくことを提案し、五庁間で合意がなされました。

また、図形商標のイメージサーチに関する研究の協力プロジェクトについて、我が国特許庁がリードしていくこととなりました。

意匠に関する主な議論

上記会合に並行して、意匠分野の専門家による会合も行われ、画像デザインや図面要件等に関する各庁の運用や最近の取組について各庁間で議論が行われ、ユーザーとの会合も開催されました*1

四庁は、新たに作業部会を設置し、各庁の図面要件を比較できるカタログを次回会合までに作成することになりました。

*1意匠分野の専門家による会合は、中国国家工商行政管理総局が意匠を所管していないことから、日米欧韓の四庁により実施。

共同声明

(仮訳)

商標五庁会合

スペイン・バルセロナ、2012年10月30日、31日

共同声明

日本国特許庁(JPO)、韓国特許庁(KIPO)、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)、中国国家工商行政管理総局(SAIC)、米国特許商標庁(USPTO)(以下、「パートナー」という)は、第1回商標五庁会合を2012年10月30日から31日にかけてスペイン・バルセロナに於いて開催した。

この度、パートナーは、本五庁会合の第一日目に参加した世界知的所有権機関(WIPO)事務局長のガリ氏を心より歓迎した。また、パートナーは、WIPO国際事務局からの他の3名職員の参加についても歓迎の意を表し、商標・意匠の両セッションにおける彼等の参加および貢献を高く評価した。

3年連続で、本会合にユーザー団体が参加した。欧州、日本、韓国、米国を代表するユーザー団体が参加した。

パートナーの達した結論は以下の通り。

商標

五庁の全体作業計画に基づく8つのプロジェクトについて議論され、以下の通り合意された。

1.IDプロジェクト - USPTO主導でJPO、KIPO、OHIM、SAICが参加。

  • パートナーは、今後提案される表示の文言に関するルールを検討する。
  • IDリストの一層の促進および周知を図る。

2.共通統計指標 - OHIM主導でJPO、KIPO、SAIC、USPTOが参加。

  • パートナーは、実務者レベルで、統計指標の追加・削除・修正および当該指標の計算方法と交換頻度に合意することとする。
  • この手順は、次のTM5中間会合の場で合意を得るべく提案される。
  • パートナーは、商標・意匠に関する出願予測データ交換のためのフォーマット、方法および頻度を検討する。
  • 共通統計指標および予測データは共に次の年次会合で交換される。

3.共通ステータス表示 - USPTO主導で、JPO、KIPO、OHIM、SAICが参加。

  • 共通に受け入れ可能なステータス表示の一覧を作成し、合意することとする。
  • これらの表示を適用するためのガイドラインを検討する。
  • 各庁は、共通ステータス表示の導入について今後のスケジュールを策定する。

4.悪意の商標出願プロジェクトの継続/拡大

-JPO主導で、KIPO、OHIM、SAIC、USPTOが参加。

  • パートナーは、各庁における悪意の出願に関する法令、規則、審査実務及び課題に関する情報を共有する。
  • 各国・地域における法律・実務の比較分析を行う。
  • 次回セミナーは、当該比較分析に焦点を当て、悪意の商標出願をテーマに東京で開催される予定。
  • 悪意の出願をテーマとするユーザーのための支援プログラムの実施を検討する。

5.図形イメージサーチ- JPO主導で、KIPO、OHIM、SAIC、USPTOが参加。

  • パートナーは、図形商標を対象とする効果的かつ信頼のおけるイメージサーチシステムを確立するにあたり解決すべき課題を分析するための共同研究を実施することに合意した。
  • 次の年次五庁会合において、報告書が提示される予定。

6.タクソノミーとユーロクラスのリンク

-OHIM主導で、JPO、KIPO、USPTOが参加。

  • USPTOとJPOは、各自の分類データをユーロクラスに提供した。KIPOは、2012年末までの提供を目標とする。SAICは、ユーロクラスに関する情報を更に交換することに関心を示した。
  • 次の段階として、タクソノミー・ツリー(分類の階層構造)をTM5参加庁による確定済み商品・役務リストに適用するための実行可能性の研究が実施される。

7.商標情報におけるユーザーフレンドリーなアクセス

-OHIM主導で、JPO、KIPO、USPTOが参加。

  • 実行可能性の研究は、TM5パートナーがそれぞれにTMビューへの参画を決定することができるように検討される。分析により、必要な作業量、人的・金銭的コスト及び統合に必要な時間を判断する。
  • USPTOは、同庁のデータをTMビューに統合する旨を表明した。
  • OHIMは、USPTOとKIPOのための作業スケジュールを提案した。
  • USPTOの参画は、一部の技術的な問題の解決による。
  • JPOは、検討および更なる分析を継続する。
  • SAICは、更なる情報交換に関心を示した。
  • OHIMとWIPOは、(OHIMの)TMビューと(WIPOの)グローバル・ブランド・データベースとをリンクさせる手段を見出すべく、協力を強化する旨の発表がなされた。

8.ウェブサイト

-KIPO主導で、JPO、OHIM、SAIC、USPTOが参加。

  • ウェブサイトは、各庁およびユーザーが利用できるような形で2013年1月までに設計・構築される。
  • 実務者レベルで今後決定される事項は、ドメイン名、コンテンツ、レイアウト及び更新頻度。

9.ユーザー会合

-主催国の主導で、JPO、KIPO、OHIM、SAIC、USPTOが参加。

  • パートナーは、協力プロジェクトの発展と実行に関して、透明性のある情報をユーザー団体に提供することを目指していくことに合意した。
  • パートナーは、我々の実務に関連した全体作業計画に基づく協力プロジェクトおよびその他の課題に関して、ユーザーと活発な議論を行った。

意匠

日本国特許庁(JPO)、韓国特許庁(KIPO)、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)、米国特許商標庁(USPTO)(以下、「意匠パートナー」という。)は、2012年10月30日から31日にかけてスペイン・バルセロナにおいて開催された第1回商標五庁会合に参加した。

意匠パートナーは、各庁におけるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)及びアイコンの保護に関する法律及び実務について議論した。加えて、KIPOがCADフォーマットによる意匠出願の実務及び法的要件を紹介した。

意匠パートナーは、各庁の図面要件についての情報交換を続け、各国・地域(米国、韓国、日本、欧州連合)に意匠出願をする全てのユーザーに有用で、図面要件の簡素化及び収束の可能性についてのさらなる議論の基礎となり得る比較カタログの作成の実現性について議論した。

意匠パートナーは、作業部会を設置し、来年の五庁会合での発表を目指して比較カタログを作成するプロジェクトを立ち上げることに合意した。本プロジェクトの概要説明書は、2013年5月の次回中間会合までに承認されること。OHIMは本プロジェクトをリードすることに合意した。

意匠パートナーは、優先権書類の電子的交換に関する各庁の実務について情報交換を行った。WIPOは優先権書類交換のためのデジタルアクセスサービス(DAS)を紹介した。

意匠パートナーは、意匠分野でDASを利用することについての各庁の能力及び関心を分析し、その分析結果を2013年5月の次回中間会合までに情報交換することに合意した。

意匠パートナーは、ハーグ協定への加盟や実施に向けた取り組みの最新情報を交換した。

意匠パートナーは、共通統計指標の交換を継続することに合意した。

2013年の商標五庁会合で議論する可能性のある分野

  • 意匠パートナーは、作業部会が起草した比較カタログについて議論し、図面要件の簡素化及び収束の可能性を探ることに合意した。
  • 意匠パートナーは、ハーグ協定への加盟や実施に向けた取り組みの最新情報を交換することに合意した。
  • 意匠パートナーは、意匠に関する法改正の最新情報を交換することに合意した。
  • 意匠パートナーは、意匠審査に対して各庁で実施されている品質検査体制について議論することに合意した。
  • 意匠パートナーは、DASに関する分析の結果に応じて優先権書類交換の問題に引き続き取り組むことに合意した。
  • ユーザー会合の結果、意匠パートナーは、各庁の「グレースピリオド」の実務について議論することに合意した。
  • ユーザー会合の結果、意匠パートナーは、意匠情報を検索するシステムの一層の強化について議論することに合意した。

2013年商標五庁事務局

パートナー全庁はKIPOが2013年の商標五庁会合の事務局となることに合意した。

(共同声明の原文へリンク)(PDF:40KB)

[更新日 2017年4月20日]

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意匠に関すること

特許庁総務部国際協力課意匠政策班

電話:03-3581-1101 内線2572

 

商標に関すること

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